新日本製鉄の大型集客施設の開発計画に伴い、築地地区で地区計画の導入手続きを進めていた木更津市は、今月21日付で地区計画が決定したことを明らかにした。地区計画の決定に伴い、同市は新日本製鉄に事業の煮詰めの調整を依頼。出店企業については、6月議会前後を目標に報告し、今夏をめどに事業の方向性を示すよう求める。同社は開業時期を07年9月としており、今後、開発に伴う手続きを急ぐ。地区計画の決定面積は約60・3haで、再開発等促進区を設置するとともに、約41・2haを商業・アミューズメント・スポーツ地区と位置づけ、良好な市街地の形成を目指す。
同地区は、同市が04年12月に策定した「みなと木更津再生構想」で、「賑わいを創出する商業・アミューズメント系大型集客施設」の開発を目指す地区に位置づけた。ここに、同構想を実現するための先行プロジェクトとして延べ約12万㎡のショッピングモールと延べ約2万㎡のエンターテイメントセンターなどを整備する開発計画の提案が、同社から昨年11月にあった。しかし、同地区の用途地域は工業専用地域で、現状のままでは開発ができなかった。このため、新たに地区計画を導入することにより用途規制を緩和し、同施設の立地を可能にした。
同地区のうち、商業・アミューズメント・スポーツ地区に位置づけた41・2haは、同社が第1期の整備を予定している区域。同区域の土地利用は大規模商業ゾーン、エンターテイメントゾーン、道路、緑地で構成。このうち大規模商業ゾーンにはショッピングモール、ガソリンスタンドなどを建設し、エンターテイメントゾーンにはエンターテイメントセンターや飲食・フィットネスクラブを整備する。このうちエンターテイメントゾーンの企画・設計はソメヤデザイン(東京都品川区大井3-4-1)が担当。
以下、地区計画の概要は次の通り。
■築地地区の都市計画変更■
▽名称=築地地区地区計画
▽位置=木更津市築地の一部の区域
▽面積=約60・3ha
【地区計画の目標】
木更津港や中心市街地に隣接する立地条件を活かし、大規模な未利用地を有効に活用して、商業、アミューズメント、スポーツ等を中心とする都市機能を導入し、木更津港や木更津駅西口地区との連携および回遊性の確保により、地域の雇用や経済活性化に資する広域集客力を持った新たな交流拠点を創出する。
【土地利用の方針】
木更津南インターチェンジに近く、国道16号および国道127号とのアクセス性に優れた交通条件を生かし、中心市街地との新たな人の流れを生み出すきっかけとなる商業、アミューズメント、スポーツ等の機能を有する大型集客施設の立地誘導等を図ることにより、本市の新たな交流拠点の形成をはかる。
【区域の整備、開発および保全に関する方針】
▽公共施設等の整備の方針=<1>道路については、当該地区に関連する集中・発生交通を円滑に処理し、周辺の道路の交通機能を維持するとともに、歩行者や自転車の安全性を確保しうるよう適切に配置する<2>緑地については地区東側の既存の緑地を極力活かし、市民の憩いや中心市街地との連携、回遊に資する広場や緑道を設ける。
▽建築物等の整備の方針=賑わいのある交流拠点としての施設整備を行うものとし、バリアフリーやユニバーサルデザインに配慮した施設づくりを目指す。また、建築物の用途の制限を行い、良好な市街地形成を図る。
【再開発等促進区】
▽面積=約60・3ha
▽主要な公共施設の配置及び規模=<1>道路:地区内幹線道路1号(幅員13・5~20m、延長975m、地区内幹線道路2号(幅員20m、延長113m)<2>公園、緑地、広場、その他の公共空地=1号緑地約2.0ha、2号緑地約2・4ha、3号緑地約0・8ha。
【地区整備計画】
▽地区施設の配置および規模=道路:区画道路(幅員10・5~13・5m、延長737m)
【建築物等に関する事項】
▽地区の区分=<1>地区の名称:商業・アミューズメント・スポーツ地区<2>地区の面積:約41・2ha
▽建築物の用途の制限=建築基準法別表第二(ぬ)第1号、同第2号に掲げるものは建築してはならない。