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(一社)日本建設業連合会

【日建連】建設業の姿を示す/長期ビジョンまとまる

2025/07/23 本社配信

 日本建設業連合会(宮本洋一会長)は22日、「スマートなけんせつのチカラで未来を切り拓く―建設業の長期ビジョン2・0―」をまとめ、公表した。デジタル化の進展により、建設従事者の役割や生産体制などが抜本的に変革するとともに、新しい時代に対応した社会的要請に応える建設業が構築される、と2050年の建設業の姿を示した。また35年における建設市場規模や担い手の見通しを推計している。

 同ビジョンは▽第1部「2050年に向けて建設業はさらに進化する」▽第2部「2035年に向けて建設業は突き抜ける」▽第3部「常に推進すべきこと」―で構成。

 第1部は、50年までの超長期のスパンで建設業に期待される役割やあるべき姿を示すとともに、さらに進化していく筋道を提示。合わせて次世代を担う若者から募集した建設業の未来予想図を盛り込んだ。

 50年の建設業の姿では、高度な技術・技能を持つプロフェッショナルの集合体、飛躍的な技術革新でスマートに生産する次世代現場、安全・安心社会の「守り手」などを挙げた。未来予想図では、危険作業をロボットが担い建設現場での死傷病災害ゼロが実現する、などとした。

 第2部は35年までの建設市場や担い手を推計した上で、当面の課題を克服し50年に向かい突き抜けていけるよう具体的な方策を提示。35年度の建設投資額は実質値67・6兆円、名目値84・3兆円、技能労働者数は25年度299万人に対し264万人と見通す。35年の技能労働者必要数を393万人と推計し、現状のままでは129万人の不足と見込んだ。

 男女を問わず若者や外国人から選ばれる産業となるために▽異次元の処遇改善▽人材育成の抜本的強化▽多様な人材活躍-を3本柱に魅力あふれる新4K産業を実現させる。異次元の処遇改善は、賃金の持続的向上や働き方・休み方改革、人材育成の抜本的強化では業界標準の学習プログラム開発、多様な人材活躍については外国人材の積極的獲得、女性活躍の加速化といった方策を示した。

 第3部は、常に推進すべきこととして、コンプライアンスの徹底や安全対策の徹底、建設業の魅力発信を挙げた。

 22日の理事会後の会見で、宮本会長は「長期的な50年の姿と中期的な35年、それぞれにどのように取り組むのかを示した。50年の建設業の姿を見せるのは大きな目玉であり、未来予想図も示せた。35年に向けては、さらに進化して、建設業が持続的でありえるか提案している」と同ビジョンのポイントを挙げた。

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