県富岡土木事務所は甘楽町秋畑地内を流れる裏根川で計画する砂防堰堤新設工について、10月ごろに工事用道路(付替道路)の発注を予定している。発注方式は指名競争入札を見込み、工期は10カ月を想定する。工事用道路詳細設計業務については砂防エンジニアリング(埼玉県川越市)が手掛けた。工事用道路(付替道路)を先行して実施し、今後、堰堤整備は最短で2026年度の発注を見込んでいる。
工事は人家7戸と避難場所となる第14区住民センター(甘楽町秋畑481)などを土砂災害から保全することを目的に計画した。鋼製スリット付き透過型砂防堰堤を1基新設する。甘楽町の裏根川を上流に向かい集落(民家)が途切れた付近に築造する。
現段階で想定している堰堤の規模は堤長50m、幅員14m。約2000立方mのコンクリートを使用し築造するもの。鋼製スリットは幅8m、高さ11mを見込んでいる。砂防堰堤整備に向けた堰堤および付替道路の詳細設計業務は砂防エンジニアリングが担当し、まとめている。
今回発注の工事用道路(付替道路)は延長253m、車道幅員3mで整備する。再生砕石40を使用して厚さ10㎝で路盤を整備し、厚さ15㎝でコンクリート舗装を実施する。
施工箇所は裏根川沿いの町道から進入した箇所となる。整備後は工事用道路が町道の付替道路になる予定。工事用道路(付替道路)は2~3年での整備を見込んでいる。また、工事に合わせて甘楽町道凡越森線の下澤橋上流に仮橋を設置し、工事用道路として使用する。現在の橋が工事車両の荷重に耐えられないため、仮橋を設置するもの。仮橋の設計業務についてはオウギ工設(前橋市)が担当した。
2021年度までに砂防工事全体計画の認可を取得、構造協議も完了させ、事業に着手した。その後、22年度から24年度は周辺の地すべり調査などの地質調査を冨永調査事務所(高崎市)が担当し、工事用道路および仮橋の設計業務なども進めた。計画の変更は25年度に実施し、本年度は年度末までを履行期限に、用地測量業務を新井調査設計(高崎市)が手掛けている。全体事業完了年度は30年度を想定している。