国内建設業の海外展開や外国人技術者・技能者受け入れを担当する部門に7月1日付けで就任した。これまでは運輸業や宿泊業の分野だったため、建設業分野への就任は初めて。「大きな業界で身が引き締まる。やりがいのある仕事ができると思う。非常に楽しみに感じている。早めに現場を見る機会を設けて、業界の実情把握に努めたい」と就任の抱負を語る。
国内建設業の海外展開については「国内マーケットに制約がある中、海外に出ていくことは大事。政府全体で2030年に約45兆円のインフラシステム受注を目標にしているが、しっかり貢献していきたい」。
そのための方策として「政府間の関係構築を通じて、日本企業と現地企業の関係構築につなげていく。セミナー開催などによる民間企業支援も行う。制度面に課題があれば、しっかり要望を出していく」と話す。また、国内で受け入れた海外人材が母国に帰った後も、人のつながりを活かして国内企業の受注につなげる考えだ。
中小建設業による海外展開については「海外マーケットにはチャンスがあるのでチャレンジしてほしい。現地の法令や仕組みなどもセミナーで情報提供しているので活用してほしい」と呼びかけている。
外国人材の受け入れについては「まずは円滑・適正に行うことが大事。そのうえで育成。建設業の受け入れは円滑化、適正化が他分野に比べて進んでいる」。27年度から育成就労制度が始まるが「中長期的に育成していくことが重要。建設業は比較的規模も大きいため、注目されている分野だと思う」と述べる。同時に「地域と共生できる生活者としての育成も求められている」と考える。
【略歴】はや・けんじ 2000年4月、運輸省入省。在米国日本国大使館参事官、国土交通省国際統括室参事官、観光庁観光産業課長を経て7月1日から現職。東大法学部卒。48歳。兵庫県出身。