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国土交通省関東地方整備局(建設)

関東地整、橋本雅道局長就任インタビュー

2025/08/06 埼玉建設新聞

 災害の激甚化・頻発化が「非常に目立っており、どこで起きるか分からない」ため、危機管理の重要性を真っ先に挙げる。「ここ一番の時に驚かないできちんと力を発揮できるように準備すること」の大切さを唱える。加えて「建設業協会など、我々と一緒に働いてくれる方々とのコミュニケーションを日頃から取っておくことが、何かあった時に慌てることなく対応するために重要」と強調する。

 インフラ整備、管理に携わる官民双方の「入職者を増やしていきたい」と述べて「老若男女が来てくれる魅力的な建設業界にしたい」と意気込む。

 改正品確法については「きちんとした企業に適切な金額で仕事をしてもらい、公共工事の品質を確保するというのがベース」とした上で、担い手の確保、地域建設業の維持、生産性の向上が3本柱となっていることを強調した。

 力を入れている週休2日については、2025年度に目指すべき方向として「弾力的な働き方」を掲げた。本省の技術調査課長時代、意見交換で各地域を回った際に「学校で土曜日休みだった若い人が、土曜日も仕事の業界には来ない」との話をよく聴いたという。

 対応するべく「月単位の週休2日からもう一歩進めて、完全週休2日を目指す方向」を打ち出したが、「喜ぶ人がいた反面、反発があったのも事実」だという。

 そのため25年度からは「(土日の)完全週休2日はベースで、休みを確保するのは当たり前として、弾力的な取り方ができるよう選べるようにしている」。地域によっても事情が違うため、例えば「夏は暑いから休んで、涼しくなったらきちんと働くというような弾力的な働き方が、目指していくべき方向」と見据えている。「多様な働き方、休みの取り方、時間の使い方」を重視していく。

 建設業の魅力PRに関しては「これまで造ってきたさまざまな土木構造物を閉じ込めるのではなくて、もっとオープンに見てもらいたい」と考えており、首都圏外郭放水路(埼玉県春日部市)などを挙げてインフラツーリズムの意義を唱えた。 一方、「実際に動いている現場」を体感してもらうことも重視。見学可能な現場をホームページに掲載しており、学校関係者からの応募を受け付けている。

 そして災害時の活動については、これから建設業界に協力を求める「TECーFORCEパートナー」の広域的な活動について「公的な性格の位置付けをすることによって、アピールしやすくしていきたい」と構想している。

 インフラメンテンス、マネジメントのあり方について、考えを深めてきた。古代ローマ街道では「最初に造った人だけではなく、直した人を重視した碑が残っている」ことに言及。「本来の機能が維持される、場合によっては時代とともにアップデートする。それに価値を見いだす」ことが理想とした。

 加えて「設計思想から、将来修繕することを加味したものに変えていくことが大事」との見解を示した。

 本省道路局の高速道路課に4回勤務している。課長補佐時代は道路公団の民営化に携わり、22年度からの課長時代は、高速道路の有料期間を50年間伸ばして2115年までとする法改正を進めた。老朽化に対する財源を確保する目的があった。「インフラについて堂々と、100年先まで考えた法律を作ることに携われたことは思い入れ深い」と振り返る。

 モットーは「笑う門には福来たる」。例え難しい話でも「笑顔があると、相手も話しやすくなる」。趣味は読書。また「野菜を育てること」が好きで、20年の経験により「適切な土で、適切に肥料と水をあげれば、きちんと育つ」ことを実感。仕事や人との付き合いにもつながると考えている。


【略歴】 橋本 雅道(はしもと・まさみち)

 京大院工学研究科土木工学専攻。1992年入省。道路局高速道路課長、大臣官房技術調査課長、大臣官房審議官などを経て、7月10日付で現職。兵庫県出身、58歳。

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