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栃木県栃木土木事務所

栃木土木事業概要、小山環状線 粟宮アンダー構造物設計へ、119カ所に84億円投入

2025/08/08 栃木建設新聞

 県栃木土木事務所は、119カ所に84億750万円を投入する2025年度事業概要をまとめた。内訳は道路・街路事業が77カ所38億1360万円、河川砂防事業は42カ所45億9390万円。新規は栃木市の合戦場小前の宇都宮亀和田栃木線に歩道橋を新設するため設計や用地調査に着手。急傾斜地崩壊対策は出流M(栃木市出流町)で工法を検討するため測量設計や地質調査を実施する。おもちゃのまち下古山線は東武鉄道と協定を締結、跨線橋の設計に着手するほか、小山環状線粟宮アンダーもJRと協定を締結し軌道下とアプローチ部の構造物設計を発注する見通し。(2面に主要事業箇所)

 宇都宮亀和田栃木線の歩道橋新設は合戦場小学校北側の交差点。幅員24mの4車線道路を横断する。

 出流Mは出流山満願寺に向かう出流川に沿った栃木市道沿いの人家などをがけ崩れから保全するため対策工事を計画。保全延長は320mを試算、工法には待受け擁壁を想定した。

 大戦防小山線雨ヶ谷は交付金2年目で用地補償を継続。小山環状線交差点から南側1100mを拡幅し両側歩道2・5mの14mを確保。視認性の悪い小山環状線交差点と小山市民病院入り口の市道31号線交差点には右折レーンを設置する。

 小山壬生線扶桑は小山環状線と重用区間620mを改善。東西で合流する2交差点を拡幅し付加車線を確保。東側の扶桑歩道橋交差点が右・左折レーン、西側の羽川西小交差点は右折レーンを新設。

 拡幅に伴い交差点部に架設された2カ所の歩道橋の架け替えを検討。中央部で姿川を渡河する半田橋は架け替えに備え、将来の交通需要を見据えて4車線分の用地を取得する計画。用地測量や物件調査を進め、用地補償に備える。

 永野川大平町下皆川は計画流量毎秒620立方mの洪水を安全に流下させるためJR両毛線橋梁を架け替える。橋梁付近で湾曲している箇所を解消し河川断面を拡大。事業区間は橋梁前後の600m。現橋梁の橋脚4基を小判形に改善し流況を抑え、越水防止のため嵩上げを実施する。

 栃木西部都市連絡幹線を構成する小山環状線粟宮アンダー760mは、JRが鉄道直下部の工法検討。アプローチ部は構造物設計に着手。架設の踏切など事前調整を進め、アンダー部東側の用地調査・補償の進ちょくを図る。

 小山市押切の杣井木川調節池は用地補償に着手。面積は12haで、当面は容量16万立方mを掘削。将来は27万立方mまで貯水能力を高める2段階施工を採用。掘削土は巴波川堤防に腹付け盛り土。市の防災拠点整備と整合を図り有効活用が図れるよう事前調整を進めていく。

 羽生田上蒲生線関沢橋は、下野市と壬生町境で2車線に絞られる渋滞を解消するため4車線に拡幅整備する。延長は700mで、姿川を渡河する関沢橋を架け替える。右岸側には流末を処理する調整池を新設。面積1489平方m、容量845立方mで今秋にも樋管と掘削工事を発注できるよう準備を進める。

 新橋は橋長60mの2径間連続多主鈑桁橋。下部工は杭基礎逆T式橋台2基と杭基礎壁式橋脚1基。新橋架設に伴い仮設道路260mを下流側に設置。左岸側では暗渠水路(幅3・5m×高さ2m)が橋台施工に影響ない位置に移設を計画。今秋にも設計や地質調査を委託し改築の必要性を含め検討する。

 関沢橋工区の西側、1182mのおもちゃのまち工区は、街路事業3・4・901おもちゃのまち下古山線で事業化。都計幅25mに拡幅し両側の歩道3mに電線共同溝を整備。主要5カ所の交差点には右折レーンを確保。拡幅に伴い歩道橋を架け替える。

 おもちゃのまち工区西側の若草町工区は、東武鉄道宇都宮線跨線橋を含む605m。標準幅員は立体交差部で32m、付加車線部が35mの4車線に拡幅する。

 跨線橋の軌道上部が11・48m。下部工が杭基礎ラーメン橋台2基、上部工はプレテンホロー桁。東武鉄道と協定締結協議を進め設計に着手。跨線橋から宇都宮栃木線まで西側が210m。東側は384mで擁壁を立ち上げ、南側に3・6m、北側には3・7mを拡幅する。

 藤岡乙女線乙女大橋は、思川を渡河する367mの老朽橋の架け替え。8径間連続鋼細幅箱桁、下部工は杭基礎逆T式橋台2基、杭基礎小判型壁式橋脚7基。残る橋脚3基のうち第5と第7橋脚を発注。左岸側橋台は地盤改良工事を先行し26年度の発注に備えるほか、第2橋脚も26年度以降を計画する。

 国谷駅前線130m至宝は、現況9mを18mに拡幅し電線共同溝を整備するため両側歩道4・5mを確保。用地が確保できた箇所から工事を推進する。国谷駅は壬生町新庁舎への最寄り駅で町がバス、タクシーなど駅前広場を3825平方mに拡幅する計画。

 河川事業のうち巴波川は、地下捷水路2・4㎞に着工。立て坑の流入・流出躯体を9月までに発注。地下捷水路下流側9・2㎞は現況河川幅をベースに狭さく部の掘削や堤防嵩上げなど地下捷水路完成を見据え、流量増加に対応する。構造物は愛宕堰と亀の子堰(農政部所管)に着工。鹿島堰は設計中で、無名堰は未対応。

 永野川は工事用進入路の護岸やスロープ工事を実施。来春の概成を目指す。

 砂防事業の六角堂1号沢は堤高6m(水通し幅4・5m)、堤長45・7mの透過型に決め用地補償を進める。隣接する六角堂沢は透過型を想定し詳細設計・地質調査をまとめ諸元を確定する。

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