山梨市は捕獲した有害鳥獣を減量化し処理する施設の建設を計画している。森林や農作物への被害が大きいシカやイノシシなどを食材用に処理するほか、その残渣や食材に適さない個体の軟化処理(減量化)を行う。市によると有害鳥獣の軟化処理施設は県内で初めて。2025年度中に設計を固め、26年度着工・完成を目指す。
市関係者によると、建設地は東山梨環境センター跡地(同市牧丘町成沢地内)の一角。国道140号から北へ脇道に入り、山道を車で5分ほど登った場所で、捕獲動物を速やかに施設へ運べるよう、ここに決めたという。用地に使う面積は約900㎡で現状はさら地になっている。
施設は軟化処理施設、ジビエ解体処理室兼事務室、小型焼却炉建屋、焼却用軟化処理残渣一時保管所、簡易解体所など、5~6棟で構成。延べ床面積は500㎡程度を想定する。設計は雨宮建築設計事務所が担当した。
最大年1000頭の処理が可能で、市は現状、食材用200頭、軟化500~600頭の処理を見込む。食材用に処理した肉は指定管理業者に委託して提供。学校給食の食材として活用することも考えている。
腹部に被弾していたり、わなにかかり既に死亡していたものなど食材に適さない個体については、軟化処理する。軟化処理は木材チップに菌を混ぜ発生させた微生物により行う。
野生鳥獣は従来、捕獲した猟友会が埋設処理しており、手間やコストが課題だった。猟友会からの要望を受け市は同施設の設置を検討。福島県飯館村や静岡県藤枝市の施設を視察した。
市は年内に概算事業費を算出し、26年度当初予算案に関連予算を計上する方針。

















