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栃木県大田原土木事務所

大田原土木、蛇尾川砂防 4基の測量と設計を9月、塩那橋上流4kmに帯工7基

2025/08/21 栃木建設新聞

 県大田原土木事務所は、那須塩原市蟇沼地区の1級河川蛇尾川の総合流域砂防事業の全体計画を変更。主要地方道矢板那須線塩那橋から蟇沼頭首工まで約4㎞に帯工7基の新設を決めた。4㎞を上下流に分け上流側に3基、下流側には4基を配置する。今後は9月を目途に下流4基の帯工の路線測量と詳細設計、帯工施工に伴う堤外民地の用地調査を発注。上流3基の帯工の路線測量は日研測量、詳細設計を富貴沢建設コンサルタンツに委託した。

 全体計画は2023~24年度に蛇尾川に設置した観測データの結果を踏まえ策定した。全体計画変更業務はパシフィックコンサルタンツが担当。

 塩那橋上流側4㎞は1988年から2006年度にかけ最上流部に砂留工、その下流側には帯工や床固め工を施工した。全体では主要地方道西那須野那須線遅沢橋から上流側12・7㎞を3工区に分け、床固め17基、帯工21基、砂留工1基の施工を進めている。事業の始まった上流側から工区割りし、1工区が塩那橋上流側4㎞。

 蛇尾川砂防は経年変化により洪水時に生産された土砂が偏流・乱流を起こし、整備した構造物が洗掘され浸食。見直しは既設の砂防施設を有効活用。土砂の再移動による氾濫被害を抑止し、事業効果を発現させるため再検討した。

 観測機器の設置は土砂や洪水による流砂の堆積状況など氾濫対策計画を策定するためデータを収集。洪水時における異常洗掘、堆積した土砂による護岸欠損と氾濫現象などのメカニズムを解析した。

 1工区は下流側に比べ砂防施設の間隔が広く、新たに帯工7基を新設し土砂の再移動を抑制。事業効果の早期発現を目指す。

 事業実施地区は那須野が原扇状地の扇央部分に当たり、洪水時に土砂生産が著しい箇所。上流の山地から多くの土砂が扇状地に流出するため、88年度上流部の4㎞を対象に砂防施設の整備に着手した。

 1工区の下流側2工区は、塩那橋から下流4㎞区間。2工区から続く下流側4・7㎞が3工区。3工区は床固工7基と帯工8基、護岸工450mを計画。現在は第6帯工を施工中。

 蛇尾川の砂防事業は17年度に基礎地盤コンサルタンツに委託し、全体計画を見直した。19年度には整備中の3工区について、国土防災技術に委託して計画を変更している。

 砂防事業を実施している下流には、人家805戸に加え指定避難場所の槻沢小学校、狩野公民館が立地。交通機関では緊急輸送道路の東北自動車道80mと国道4号が1200m、矢板那須線と西那須野那須線が各800m。鉄道はJR宇都宮線が通っており、これらの施設を保全対象に事業を進めている。

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