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千葉県水道局

浄水場2か所の排水処理でPFI調査/柏井浄水場東側と北総浄水場を更新

2006/05/10 日刊建設タイムズ

 県水道局は、柏井浄水場東側(千葉市花見川区柏井町430)と北総浄水場(印旛郡本埜村竜腹寺向原296)の排水処理施設が老朽化しているため、施設の更新を計画している。施設の更新ではPFIの導入を検討し、今年度でPFIの導入可能性調査を実施する。事業費は当初予算に1700万円を計上。同局は04年度に(仮称)江戸川浄水場の排水処理施設整備等事業でPFIを実施しており、実施されると今回が2例目となる。また、調査の実施に伴い同局は、昨年2月に技術部計画課内に導入事前検討会を設置し検討を進めており、今年度で調査を実施することになった。

 柏井浄水場は千葉市、船橋市、市川市、浦安市、習志野市に給水している。利根川と印旛沼を水源とし、給水能力は日量53万立方mで、このうち東側は同17万立方m。排水処理に伴う発生土の処分量は04年度実績で日量約6600立方m。また、同浄水場では今年度、一般競争入札で東側排水処理施設二次濃縮設備工事と2系オゾン設備更新工事の発注を予定。いずれも年内を目標に発注する。

 一方、北総浄水場の給水先は船橋市、習志野市、市川市、浦安市、千葉ニュータウン、成田ニュータウン、成田国際空港で、給水能力は日量約12万6700立方m。水源は利根川で、排水処理に伴う発生土は04年度実績で約5100立方m。同浄水場では今年度、排水処理施設の脱水機ろ布交換工事、ろ板修理工事、ろ板点検整備工事などの各設備工事の実施を予定している。

 柏井浄水場は、東・西2系列で水処理施設を有し、西側の大部分は1965年から利根川水系印旛沼を水源として建設され、日量27万立方mの浄水場が完成し、68年7月から給水を開始。その後、71年から第4次拡張工事により施設を増設し、現在は53万立方mの施設が完成している。西側施設の水源である印旛沼の水質が悪化し、異臭味が発生したため、粉末活性炭により対処していたが、完全な除臭効果が得られないため、東側施設の建設では、オゾン処理と粒状活性炭処理を併用した高度処理施設を取り入れた。東側施設の完成と同時に西側施設で処理していた印旛沼の原水を東側施設に切り替え、西側施設の原水は利根川の表流水にした。

 北総浄水場は、千葉ニュータウン、成田ニュータウン及び成田国際空港への給水を目的に70年度に建設に着手し、75年6月から利根川の表流水を水源として給水を開始した。

 また同局では、建設中の「(仮称)江戸川浄水場」の排水処理施設整備でPFIを導入している。同事業では、04年4月に事業契約書案を公表し、同年7月に入札を公告。その結果、4グループから応募があり、すべての参加資格を確認し、同年10月に総合評価一般競争入札を実施。その後、客観的評価を行い事業者を選定し、富士電機システムズグループを事業者に選定した。

 同処理場の事業内容は整備等業務と維持管理・運営業務の2点で、整備等業務は<1>新設施設の設計及び建設業務<2>既存施設に付属する設備の更新等業務<3>既存の脱水設備等の撤去業務<4>工事監理、各種許認可申請等業務<5>新設施設及び更新施設の引き渡し及び所有権移転、の5項目。維持管理・運営業務は<1>全体施設の維持管理業務<2>排水処理業務<3>上澄水の返送業務<4>発生土再生利用業務の4項目。事業方式はBTO方式を採用した。

 同浄水場では今年度、太陽光発電設備工事、配水池築造工事に伴う付帯電気設備、調整池築造工事などを予定している。



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