国土交通省は『橋、高架の道路等の技術基準』(道路橋示方書)について、能登半島地震や性能規定化の充実を踏まえて改定した。改定では、適切に性能を評価する枠組みを充実させ、耐久性能の評価方法を明確化。復旧性を向上させる規定の充実を図った。2026年4月1日以降、新たに着手する設計に適用する。
道路橋示方書は高速道路や国道における橋梁の設計に用いる基準で、その他の道路橋設計でも一般的に用いられる。1972年の制定以降、技術的な知見や社会的な情勢の変化等を踏まえ、これまでに7回の改定を行っている。
同省では今回の改定により、安全性の向上、技術開発・新技術導入の促進、ライフサイクルコストの縮減が図られ、適切な維持管理によって橋の長寿命化が期待できると考えている。
改定の概要は次の通り。
【性能評価の枠組みを充実】
▽新しい形式の橋について、設計上の課題を分析し、少部材化などの構造の合理化と必要な性能の実現の両立が図られるように、上部構造、下部構造、上下部接続部が備えるべき機能を評価する枠組みを新たに導入。
▽少部材化などの構造の合理化による立体的な挙動をより適切に評価できるように、荷重条件を充実。
【耐久性能評価方法を明確化】
▽耐久性能を適切に評価するため、橋の設計耐久期間の概念を新たに導入。
▽設計耐久期間の信頼性を評価するため、設計耐久期間末の限界の状態を新たに定義。
▽耐久性能の信頼性を高める工夫(環境条件を制御する場合や、複数の耐久性確保策を組み合せる場合)の適用の考え方を明確化。
【復旧性向上の規定充実】
▽支承部に障害が生じることを設計時点で想定し、復旧性を向上させるための規定を充実。路面の連続性が確保されるように橋梁接続区間を設定し、橋の設計において背面の区間にも段差が生じにくくなるように橋台を計画する。
【その他の改定事項】
▽編構成を橋の構成要素である上部構造、下部構造、上下部接続部に再編。耐震関連も含めた荷重設定や応答算出、制限値などを各編で規定を網羅。
▽耐震、耐風は橋の構造に与える影響が大きく、構造計画時点から合理的な構造となるように織り込まれることが必要なため、共通編に取り込み、設計の上位段階から考慮する必要を明確化。