県下水環境課は2028年度に奥利根処理区においてウォーターPPPの導入を目指している。現時点では管理・更新一体マネジメント方式の導入を想定。25年度に委託する導入可能性調査の結果次第だが、導入の可能性が見込まれれば26年度にマーケットサウンディングを予定しており、28年度の導入に向け各種準備を進めていくこととなる。
導入可能性調査業務では導入可能性のあるPPP・PFI手法の選択・選定を行うほか、ウォーターPPP導入検討として◇要求水準の設定◇プロフィットシェアの検討◇モニタリング方法の検討-を実施する。業務は9月9日に開札し、受託企業は26年3月末までの履行期限で業務を行う。
県は奥利根処理区のほか◇県央処理区◇桐生処理区◇西邑楽処理区-の4処理場センターについて現在、包括的民間委託により維持管理を行っている。奥利根処理区は沼田市とみなかみ町を処理区域としており、1981年4月に供用開始されている。処理区域面積は1388haで、区域内には1万4570mの流域下水道管渠や奥利根水質浄化センター(沼田市下川田町宮塚1303)、沼田ポンプ場、月夜野ポンプ場が整備されている。管渠延長1万4570mの内訳は沼田水上幹線(φ450㎜~φ1350㎜)が1万4530mで、1200㎜×1200㎜の放流渠は40mとなる。
同センターは3系列処理能力2万1300立方m/日で運転・処理を行っている。同センター敷地内には◇管理棟◇最初沈殿池◇反応タンク◇最終沈殿池◇塩素混和池◇汚泥処理室◇送付機室◇ホッパー棟-などが整備されている。
沼田ポンプ場は利根川左岸地区等の汚水を、利根川を横断して奥利根水質浄化センターの水処理設備まで圧送する。月夜野ポンプ場についてはみなかみ町水上地区等の汚水を沼田ポンプ場へ圧送している。
民間活力の一層の導入に必要な調査を行うため、ウォーターPPP導入に向けた基礎調査業務は2024年度に日水コン(東京都新宿区)が受託してまとめた。業務では導入可能性を検討するため、施設の経年劣化状況などの基礎事項について調査を行った。
国は水道、工業用水道、下水道について、PPP/PFI推進アクションプラン期間の22年度~31年度の10年間で公共施設等運営事業(コンセッション)に段階的に移行するため、官民連携方式(管理・更新一体マネジメント方式)を公共施設等運営事業と併せてウォーターPPPに位置付け、ウォーターPPPの導入拡大を促進している。また、汚水管の改築に伴う国費支援に関して、緊急輸送道路等の下に埋設されている汚水管の耐震化を除き、ウォーターPPP導入を決定済みであることを27年度以降に要件化することを示している。
国が示す「管理・更新一体マネジメント方式」の段階的な移行を促す官民連携の要件は◇原則10年の長期契約◇性能発注(原則)◇維持管理と更新の一体マネジメント◇プロフィットシェア(利益を官民で分配)-としている。
「管理と更新の一体マネジメント」には、維持管理と更新を一体的に最適化するための方式として維持管理と更新を一体的に実施する「更新実施型」と更新計画案の策定やコンストラクションマネジメント(CM)により地方公共団体の更新を支援する「更新支援型」がある。
更新実施型の特徴には更新工事を含めて一括で民間に委ねることができ、地方公共団体の体制補完効果が大きいことを挙げている。一方の更新支援型に関しては発注に関係する技術力を地方公共団体に残す。また、実際に維持管理を実施する民間企業等の観点から、より効果的な更新計画案の作成が期待できるとしている。