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茨城県県央農林事務所

暗渠排水など3億追加/萱場地区完了2年延長

2025/09/02 日本工業経済新聞(茨城版)

 県県央農林事務所は、県営萱場地区土地改良事業の区画整理および農業用用排水施設について、想定以上の事象により事業量・事業費を追加することが明らかになった。区画整理では、暗渠排水工などの追加により、総事業費2億4082万円が増加。用排水施設では法面保護工などで7617万円の追加となった。事業期間についても、当初に計画していた2025年度から2年延長し、27年度の完了予定とした。

 県営萱場地区は、水戸市の南西部(茅場町、河和田町、高田町)に位置し、南北に1・5㎞に広がる水田地帯。標高がTP+11・6m~14・2m程度。地形勾配は縦断方向に約800分の1となる。長谷原池周辺の谷津田状の農業地帯となっており、水稲を中心とした営農が展開されている。

 本地区の農地は、未整備で狭小不整形、農道も一部しかなく、大型機械導入の妨げとなっている。また、用排水路の分離がされておらず、水管理や維持管理に多大な労力を費やしているとともに、排水不良により営農に支障を来している。

 計画変更に至った経緯として、区画整理事業では、現場透水試験を行った結果、暗渠排水管の間隔が密になったことや、想定以上の混合廃棄物等の雑物が確認されたことにより、混合廃棄物処理工が必要になった。

 変更後の内容として、混合廃棄物の撤去および処理による整地工に1億7033万7000円、暗渠排水管の間隔を密にしたことによる延長増により2408万4000円、精査による検討および実施設計には337万6000円、精査による換地費は1621万円がそれぞれ増加。変更後の総事業費は8億4382万9000円(2億4082万9000円増〔うち自然増982万2000円〕)となった。

 農業用用排水施設事業では、想定上の湧き水により法面崩壊への対策工事等の追加が必要になった。

 変更の内容として、水道管移設の追加に伴う補償費に3600万円、湧き水による法面崩壊に対する法面保護工(かごマット工)に2970万2000円、精査による検討および実施設計には99万7000円を追加する。変更後の総事業費は3億7017万1000円(7617万1000円増〔うち自然増347万2000円〕)となる。

 同事務所では、26日まで本事業における変更後の計画概要の縦覧を実施。その後は関係市町村長及び予定管理者と協議し、計画変更の承認を得る。整地工や暗渠排水工、法面保護工などは、現在進めている工事とは別工事として26年度から実施していく。

 計画変更により、各事業の生産効果や経費節減、安定供給効果などが向上。区画整理は1376万7000円が増加し、用排水施設では477万4000円の上昇となる。

 生産性の高い優良農地を確保するとともに、担い手への農地集積の加速を図り、農業の振興を基幹とした総合的な地域の活性化を進めていく。

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