国土交通省は2日、有識者で構成する『今後の建設業政策のあり方に関する勉強会』の第2回会合を開催した。テーマは『大手建設業のあり方』。同会は『2027建設業政策の原点』を掲げ、建設業のあり方や企業評価などについて議論するもの。会合は26年3月まで計7回を予定、同月にはとりまとめも行う。
会の冒頭、楠田幹人不動産・建設経済局長はあいさつで「国内建設業は規模拡大や事業の多角化、海外展開など、各社が自己資本を活用して経営力の強化に取り組んでいる。ロボットなどDXの分野では、効率的かつ先進的な技術開発に取り組む事例も見られる」と述べ、建設業界を取り巻く環境の変化を踏まえた「望ましい企業のあり方」についての議論を求めた。
同勉強会は、担い手減少や災害対応、AI・デジタル技術の進化などさまざまな課題や変化に直面している建設業の今後の経営戦略について、多様な視点で検討するために設置された。議論における視点は▽国民や社会からの信頼▽時代や社会の変化に合わせた生産システムの合理化―。
次回第3回は『地域建設業のあり方』を予定している。同会では『建設業の新ビジョン』の27年度策定に向け、25年度は大枠を議論。26年度には制度改正も視野に入れた検討を行う見通し。26年度の本格的な議論では、今回の勉強会でオブザーバーの立場にある日本建設業連合会や全国建設業協会など建設業団体も委員として参入することになる。
企業評価の見直しを
勉強会の主なテーマは①これからの建設業に求められる企業のあり方②建設産業を支える人的資源のマネジメントのあり方③今日的な企業評価のあり方―となっている。
この企業評価については、26年度概算要求で見直し検討が示されている。概算要求では建設業が直面する課題の一つとして「1事業者あたり雇用者数が非常に少ない」と挙げており、これを踏まえて『あるべき業界像』に向けて技術と経営に優れた企業を適切に評価するため、経営事項審査の見直し検討を掲げている。
また現在の重層下請構造についても問題視している。26年度概算要求では▽業界構造実態に関する海外調査▽下請取引実態調査▽取引慣行改善の推進―などにより、重層下請構造の改善に着手する方針。