国土交通省は4日、建設分野における外国人材の確保・育成のあり方について、有識者で構成する検討会の第3回会合を同省内で開いた。検討会では『育成就労制度』の2027年度施行を見据え、11月に分野別運用方針の案を作成する。4日の会合では外国人材受け入れの際の転籍制限や地域との共生などについて議論した。
これまでの国際貢献を目的とする『技能実習制度』は、入管法改正により人材確保・育成を目的とする『育成就労制度』に変わる。これに伴い、産業を所管する省庁ではキャリア形成も考慮した分野別運用方針の策定が求められている。分野別運用方針は12月に閣議決定を予定。このため建設分野でも特定技能制度との連携を図りつつ、外国人材がキャリア形成できる制度づくりが急務となっている。
最近では移民問題に対して注目度が高く、移民と地域社会の共生についてもさまざまな課題が出てきている。こうした状況の中、同省では人手不足が続く建設産業で外国人材を受け入れ、地域の中において外国人材が活躍できる環境づくりを目指している。
会の冒頭、楠田幹人不動産・建設経済局長はあいさつで「外国人との共生問題は注目を集めており、大変重要な課題と考えている。今日の検討会では建設分野における外国人共生について意見を聞きたい」と述べた。
会合では、育成就労について転籍制限の期間を2年とするか、また2年とする場合に昇給率をどう設定するかなどを議論。また中長期的なキャリア育成プランや地域社会との共生についても議論を行った。
検討会の委員は芝浦工業大学の蟹澤宏剛建築学部教授、東海大学の万城目正雄教養学部教授など有識者のほか、建設業界からは全国建設業協会の青柳剛労働委員長、全国中小建設業協会の朝倉泰成氏、建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長、日本建設業連合会の原田知明労働委員が参加している。