全国建設業協会(全建、今井雅則会長)がまとめた2025年度発注関係事務の運用状況などに関するアンケート報告書によると、工事書類の簡素化については、国土交通省が「進んでいる43・3%」「一部進んでいる39・6%」と全体の82・9%が回答。対して、都道府県・政令指定都市は「進んでいる15・1%」「一部進んでいる42・8%」を併せて57・9%、市区町村においては「進んでいる8・6%」「一部進んでいる29・4%」の合計が38%にとどまった。
工事書類簡素化の問題点として、最も多かったのが「発注者側担当者によって必要書類が異なる55・7%」。以下「紙とデータの両方の提出が必要41・2%」「本来提出不要な書類の提出を求められた39・1%」「従来の書類は簡素化されるが、新たに作成が必要となった書類も多い31・7%」と続く。
書類作成に関し「ICT、熱中症対策、週休2日、CCUSなどへの対応を含めると手間が増えている」「化学物質管理やアスベスト調査など新しく対応する書類が増えた」「バックデータなどを参考資料として、提出を求められることが多い」と訴える。
工事成績評定の加点に向けて「良い評価を得るために工夫した書類を作成してしまう。加点を得るために作成する書類が増える」「工事成績で高得点を得るために、余分な書類を作成する必要がある」の声もあった。
また直近1年間のワンデーレスポンス実施状況は、国土交通省でおおむね72・6%の活用。都道府県・政令指定都市が45・4%、市区町村は32・8%だった。
ワンデーレスポンスに関して「徹底してほしい。回答待ちの状況が続き、工事が進まない」「発注者の監督員と協議しても、庁内で上司の許可が必要となるため、結論が出るまで時間を要す」「情報共有システムで書類を提出しても、何日も閲覧されない場合がある」との意見があった。
ウィークリースタンスは、国土交通省でおおむね69・6%で活用。都道府県・政令指定都市が36・6%、市区町村は27・7%。