国土交通省の2026年度予算概算要求のうち道路関係(道路局・都市局)では、事業費ベースで対前年度当初比1・18倍となる6兆397億円を求めている。重要政策推進枠には効率的な物流ネットワークの強化1310億円、道路ネットワークによる地域・拠点の連携確保1809億円、道路の老朽化対策の更なる推進966億円を要望。主要施策には国土強靱化、予防保全型メンテナンス、人流・物流を支えるネットワーク・拠点の整備、道路の脱炭素、道路システムDX、道路空間の安全・安心や賑わいの創出を掲げた。
『防災・減災、国土強靱化』では、災害に強い道路ネットワークの構築に取り組むとともに、避難や救命救急・復旧活動を支える取り組みを推進する。高規格道路の未整備区間の整備、暫定2車線区間の4車線化、緊急輸送道路における道路構造物の防災・減災対策などを予定している。
『予防保全型メンテナンスへの本格転換』では、損傷が軽微なうちに補修を行う予防保全型に転換を図るため、早期・緊急に老朽化対策を実施。埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえ、道路管理者と占用者の連帯による地下空間マネジメントにも取り組む。
地方公共団体が管理する道路施設についても、長寿命化修繕計画に基づく取り組みに対して計画的・集中的な財政支援を実施。道路橋の集約・撤去や広域連携のガイドライン策定により、地方への技術的支援も行う。また高速道路についても計画的な大規模更新と機能強化に取り組む。
『人流・物流を支えるネットワーク・拠点の整備』では、主要都市間の道路ネットワーク強化、スマートICやアクセス道路の整備支援を行う。
『カーボンニュートラルの実現に向けた道路の脱炭素化推進』では、低炭素な建設機械により道路工事におけるCO2排出量を削減。低炭素材料の導入や再生アスファルトなどリサイクル材料の利用も推進する。道路照明はLED化・高度化を図る。また道路空間における発電・送電・給電・蓄電の取り組みを関係省庁と連携して推進する。
『道路システムのDX』では、自動運転の実現を支援するインフラとの連携方策を検討。道路の調査・施工・監視・点検・維持管理については、AIやICTの導入、データ活用により高度化・効率化を図る。
『道路空間の安全・安心や賑わいの創出』では、狭さくやハンプなどの交通安全対策を推進。踏切対策では立体交差化や歩行者立体横断施設整備を推進する。無電柱化は優先区間や整備目標を明確にして集中的に管路整備と電柱撤去を促進する。