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国土交通省,国土交通省北陸地方整備局(建設)

「労務費の基準」解説/新潟で改正建設業法説明会

2025/09/09 新潟建設新聞

 国土交通省は、改正建設業法の全面施行に先立ち、全国10会場で「労務費の基準」に関する説明会を開催している。5日には新潟会場(北陸地方整備局)で開かれ、オンライン参加を含めて第一部の発注者向けに約160人、第二部の建設業者向けで約340人が参加。今回、労務費の基準に関する具体的な制度について、最新の情報や活用に当たっての留意事項などを重点的に説明したほか、価格転嫁、生産性向上、働き方改革など最近の建設業行政を巡る話題も説明した。

 労務費の基準制度は、技能者を雇用する建設業者が労働者の技能に応じた適正な賃金を払えるように、請負契約の中で労務費(賃金の原資)を確保できるようにする新たなルール。公的役割を担う建設業を持続可能な産業とするために、技能者の賃金を原資とした低価格競争をしている現状が、労務費の基準制度により生産性の高さと技能者の処遇を確保した上での価格による健全な競争に変わることを目指す。

 国交省では、建設業者に対し「労働者に払う賃金の原資は競争の対象にしない」という認識を持ってもらうため、総価一式ではなく労務費などを内訳明示した見積書での価格交渉、自主宣言を行う取引先の優先選定といった新たな商習慣の定着を要請。将来の担い手確保・若者の入職促進に向け、レベル判定受検を含めたCCUSの一層の活用拡大に理解を求めた。

 発注者に対しては「安ければいい」という認識ではなく、パートナーシップを持ち、労務費をしっかりと支払うことを要請し、見積書に記載された労務費・必要経費を値切る行為は建設業法違反になり得ることを示した上で「発注者としてできる取り組みの実践を検討いただきたい」とした。

【写真=オンライン併用で行われた説明会】

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