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農林水産省

【農水省】農地基盤整備を推進/新たな土地改良計画策定

2025/09/18 本社配信

 農林水産省は、2025年度から5年間を対象とする新たな『土地改良長期計画』を策定した。計画では「食と暮らしを支える水と土の未来」を掲げ、農業基盤の整備と保全を加速する。

 柱となるのは四つの政策課題。第一の基盤強化では、水田の基盤整備を約9万haで実施する。このうち約6万haを1ha以上の大区画に整備し、スマート農業の全面導入を可能にする。さらに水田の約6万haを汎用化し、麦・大豆・園芸作物など需要に応じた生産拡大を図る。畑の区画整理や排水改良は約3・6万ha、畑地かんがいは約2・4万haに及ぶ。

 第二の農業用水対策では、老朽化が進む農業水利施設のうち、早急な対応が必要な施設約730カ所、水路約4200kmを対象に更新や補修を進める。更新事業は水路約1100km、施設約290カ所に着手し、約510カ所の施設で対策を完了させる。また地域ごとに水土里ビジョンを約1000地区で策定する。

 第三は災害リスクへの対応で、防災重点農業用ため池約3400カ所で防災工事を実施。さらに洪水調整機能を持たせる田んぼダムを約7万haの水田で導入する。農道橋やトンネル約70カ所、農業集落排水施設約500地区でも更新・耐震対策を進める。

 第四は農村振興。生産・販売施設を含めた基盤整備を約80地区、情報通信環境の整備を約100地区で展開。地域の共同活動を支援し、農業生産を支える農用地約237・8万haを維持する。中山間地域の条件不利地約66・4万haについても生産活動を支える。

 計画では取り組みを通じ、担い手農家の米生産コスト労働費を6割以上削減、園芸作物の生産額を2割以上増加させることを目標に掲げる。さらに防災重点ため池の改修着手率は9割以上、水利施設による農業用水の安定供給面積は10割を確保するとしている。

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