船橋市は、9日に医療センター移転建て替え庁内協議会を設置し、11日に第1回会議を開催した。今後は、年度内に医療センターの規模と構成を整理し、検討案における概算工事費を算出。概算工事費を踏まえた概算整備事業費を基として、本格的な事業収支計画の検討に着手する。2026年度上半期中に結果を整理し、市長に移転建て替えの具体的な実現方針を提案する予定だ。
庁内協議会は、健全な財政運営を図りつつ、地域医療を支え、市民の命と健康を守ることができるよう、医療を取り巻く環境変化に適応した医療センターの移転建て替えを実現させることを目的としている。
林康夫副市長を会長とし、柳生正毅副市長、病院局長、健康福祉局長、企画財政部長、健康部長、副病院局長で組織している。
検証・検討の過程では、有識者や三師会からの助言を踏まえ、協議会としての考えをまとめる。
第3回定例議会に上程した病院事業会計では、医療センター建て替え計画検討業務委託2100万7000円を計上。医療センターの建て替えに向けて、新病院の機能や規模の再検証を行うための各種検討資料を作成する。
医療センターは1983年の開設。老朽化や狭あい化が課題となっていることから、2018年度に策定したふなばしメディカルタウン構想と建て替え基本計画に基づき、高根町372ほか(海老川上流地区土地区画整理事業地内)の敷地面積約4・2haを移転先として、建て替えを計画している。
基本計画で工事費約290億円を見込んでいたが、24年5月の入札手続き開始時点で約570億円まで増加した。その後、総合評価型一般競争入札を実施し、参加申し込みはあったものの、積算価格が予定価格に対して約143億円超過していることなどから辞退届が提出され、入札を中止した。超過分を追加した場合、総事業費は1000億円を超える見通し。
医療センターの開設は27年度を予定していたが、工事費の積算や予算案の提出を踏まえると、少なくとも1年以上の遅れが見込まれている。