足利市の早川尚秀市長は26日、新市民会館と市役所本庁舎の複合施設整備建設地を競馬場跡地(五十部町)に決定したと発表した。早川市長は「完成までの最短の工期、複合化によるコスト縮減、市民の利便性向上、市議会提言を総合的に勘案した結果、競馬場跡地が適地」と述べた。11月には市広報や市民説明会を通じ選定経緯を丁寧に説明する。基本計画策定支援はシアターワークショップ・佐藤総合計画JVに委託しており、2026年10月に成案を示す。
市は23年に新市民会館整備基本構想、本庁舎等整備基本構想を相次いで策定。24年は両施設整備の市場性を探るサウンディング型市場調査を実施。併せて両施設の検討業務を石本建築事務所に委託。25年は基本計画策定支援を委託した。
建設候補地は用地取得の必要のない市有地の中から一団の敷地面積を有す現庁舎(本城3丁目、1万7000平方m)、市民プラザ(朝倉町、2万2000平方m)、競馬場跡地(7万3000平方m)の3案で比較検討。総合評価は競馬場跡地が最も高かった。
調査した石本建築事務所は「計画の自由度が高く工期やコストが他案に比べ優位」と評した。市議会は検討業務報告書の内容を踏まえて全議員で議論を深めた結果、1日に「競馬場跡地が望ましい」とする提言書を早川市長に提出していた。
報告書で競馬場跡地は一体敷地で整形地、複合化整備に十分な広さ、大型バスや11㌧車の進入と展開ができる敷地。建物支持層が地表付近にあり、杭工事を必要としない直接基礎が可。第1次緊急輸送道路のスマートIC計画地から1・5㎞。
東日本台風時の浸水被害はなし。十分な屋外駐車場(600台)が確保でき、屋外活動拠点に利用可能。複合形式の比較では並列配置の方が利便性、経済性、構造的合理性の面で有利。建築面積が大きく杭工事費が高額ながら、直接基礎採用ならば影響が小さい。
工期は最も短い33カ月(現庁舎98カ月、市民プラザ130カ月)のため、物価上昇リスクを受けにくい。施工性は十分な作業スペースがある。地下駐車場が不要。新築工事は1回にまとめられ、発注額が大きく競争性が働く。解体撤去が必要な既存建物なし。
配置計画は足利赤十字病院駐車場東側に5階建て延べ1万8300平方mの市役所庁舎、3階建て延べ1万900平方mの市民会館を並列。両建物の間は共用部。建物の北側は平置き駐車場、余剰地は東側1万6700平方m、西側3100平方m。
敷地に余裕があることから市民会館大ホールの規模を1200席から1500席に増やした場合の延べ床面積は1万1500平方mへの拡大も可。現行用途は市街化調整区域だけに、市街化区域の編入や立地適正化計画をはじめ市関連計画の見直しが必要。
市役所本庁舎、別館、教育庁舎の3棟は耐震性を満たしておらず震度6強以上の地震で倒壊の危険性が高い。費用対効果を総合的に検証した結果、建て替えと他機能との複合化が妥当と判断した。基本計画では新施設の機能や規模、事業手法を明示する。
早川市長は「複合施設整備に当たり、市内各地から誘致の声が寄せられた。市全体の将来像を展望し価値ある場所を活用し、土日も含めて多くの人々が集える場所を選考した。現庁舎周辺の足利学校や鑁阿寺はまちの顔であることに変わりはない」と語った。
















