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日事連が新潟市で全国大会開催/「環境と調和」次世代へ

2025/10/07 新潟建設新聞

 日本建築士事務所協会連合会(日事連、上野浩也会長)が主催する第47回建築士事務所全国大会新潟大会が3日、新潟市の朱鷺メッセで開催された。大会テーマは「次世代に繋ぐ環境と調和」で、大会スローガンは「自然豊かな越後の地で地域社会と空間を考える」。全国6ブロックから約1300人の関係者が集い、建築士事務所が建築を通して豊かな自然と地域のつながりを考え、脱炭素社会の実現と安心・安全な地域社会の構築に向け努力し、「次世代へ繋ぐ」ことを宣言した。また来年の全国大会は京都市で行うことが発表された。

 大会を主管する新潟県建築士事務所協会の本間裕之会長は「われわれが関わっている建築空間は重要な社会インフラ。変化する自然環境や社会環境に対応して進化させ、守るものは守る、変えるものは変えていく共生と調和が求められている。これらを確実に次世代へつないでいくことが重要なキーワードになっていると感じている。新潟大会でさまざまな発見をしていただくことで、今後の活動の一助になれば幸い」とあいさつ。

 日事連の上野会長は「全国6ブロックで共通するのが地方公共団体の低入札とダンピングの問題。この議論を活発に進め、日本建築士会連合会、日本建築家協会の建築3会で要望していきたい。そして建築士の数が非常に少なくなっている。このような状況が続けば一級建築士は、そのうち絶滅危惧種と言われると思う。ぜひ皆さんの声を国へ届けていきたい」とした上で「行政とはパートナーシップが結ばれていかなければならない。二人三脚で進めていければ」との見解を示した。

 大会では、2025年度日事連建築賞の受賞者や功労者を表彰したほか、前日開催の「青年話創会」および当日午前中に開かれた「女性交流会」の内容報告、次回開催地への大会旗伝達が行われた。

 式典に先立ち、『プリツカー賞』の受賞歴がある建築家の山本理顕氏が「建築士の責任」をテーマに基調講演を行った。山本氏は「さまざまな問題があるにもかかわらず、われわれ建築家は何をしているのかという疑問がずっとあった」としながら「諸外国では都市が疲弊している。都心に超高層のマンションが建てられるたびに地域のコミュニティが壊れていく状況が今、起きている。東京も同じ。こういった状況の中で建築家はコミュニティ豊かな都市を造るために何をしたらいいのかを考えるべきではないか」と参加者に問い掛けた。

【写真=上野会長、全国から約1300人が集まった、山本理顕氏。京都市へ大会旗を伝達。祝賀会も開かれた】

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