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茨城県八千代町

40年間更新費338億試算/公共施設個別計画を策定

2025/10/09 日本工業経済新聞(茨城版)

 八千代町は、公共施設等個別計画を策定した。従来の改築を中心とした老朽化対策から長寿命化改修へ転換し、トータルコストの抑制と平準化を目指す。今後、40年間の維持・更新費用として約338・6億円、年間平均8・5億円を試算。従来の改築を中心とした想定よりも総額で104・4億円の削減を見込んでいる。


 計画では町が所有する39施設128棟を対象とし、期間は2025年度~34年度までの10年間。更新費用の算出については、25年度~64年度までの40年間で試算している。

 各公共施設の長寿命化、複合化・集約化など、具体的な維持管理・更新等に係る方針・対策を定め、施設の安全性や公共サービスの水準を維持しつつ、コストの縮減と平準化を図ることで持続可能なまちづくりを目指す。

 更新費用の見通しは、築20年、築60年で大規模改造、築40年で長寿命化改修を実施し、築80年での改築を想定する。試算では40年間で維持・更新に必要と見込まれる費用に約338・6億円、年間平均8・5億円を想定する。築60年で改築を行うことを想定した従来型では40年間で総額443億円、1年あたり約11・1億円とされ、総額で約104・4億円の削減が見込まれる。

 また試算には、海洋センターの取り壊し(27年)・建て替え(33年)、中央公民館建て替え(28年)、保健センター建て替え(28年)、統合小学校建設(30年)、中学校統合(28年)を反映させている。

 主な施設の基本方針では、中学校は28年4月を目標に2校を統合し、校舎は既存の八千代第一中学校を利用。小学校は31年4月を目標に5校を統合し、小中一貫校として八千代第一中学校の敷地および隣接地に新設校を建設する予定。

 海洋センターは、近年中に取り壊し、跡地に公民館を建設予定。プール施設としての機能は維持し、7~8年後をめどに別の場所へ建設。総合体育管については、近年中に建て替えを予定する。

 保健センターは近年中に建て替えを予定し、中央公民館との複合化により、コスト削減、利便性の向上や地域の活性化を図る。

 庁舎は29年にエレベーター修繕工事を実施。農村環境改善センターでは24年度~26年度まで系統ごとに順次空調設備の改修を行う計画。

 八千代グリーンビレッジ内の憩遊館は、交付金活用した大規模リノベーションを予定している。

 町の公共施設は24年度末時点で、築30年以上の建物が延べ床面積で約3万8000㎡となり、全体の6割を占める。現在、保有している資産をこのまま、維持すると仮定した場合、20年後には築50年以上の施設が約6割近くを占め、大規模修繕や建替えに係る財政負担が大きくなることが予測される。

 すでに著しく劣化し、改修が困難な施設や適正配置など施策上改築が望ましい場合を除き、20年周期で大規模改造・長寿命化改修を実施することで建物を良好な状態に保ち、目標耐用年数80年を目指す。また、必要に応じて施設の統合・複合化または廃止を検討する。

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