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(一社)全国建設業協会

【全建ブロック会議】予算や時間外労働を議論/関東甲信越からスタート

2025/10/09 本社配信

 全国建設業協会(今井雅則会長)、都道府県建設業協会と国土交通省による2025年度地域懇談会・ブロック会議が8日、都内の経団連会館で開かれた関東甲信越地方ブロックを皮切りにスタートした。ブロック会議では各協会から、さらなる公共事業予算の拡充や時間外労働の上限規制緩和、外国人材受け入れ、ICT技術者の育成などを求め、意見を交わした。

 開会に当たり、ブロック会議を主催する関東甲信越地方建設業協会長会の木下修副会長は「業界の課題が何点か、ポイントが見えてきている。時間外労働の上限規制が始まって2年目。屋外産業の建設業にとって、どういった働き方、時間管理が大事か、制度そのものを見直す時期になってきたと思う。もう1点は現場で働く人達の労務費の問題。そして国土強靱化実施中期計画の公共事業費の予算化」と指摘した。そのうえで「建設業の課題は人材の確保育成と生産性の向上、そして災害対応力組織力の強化に、労働時間と働き方の問題が加わる。地域ごとに問題意識は変わってくるが、本日の議論を参考に、それぞれの協会活動に役立てることができる」と青柳剛会長のあいさつを代読した。

 来賓の国土交通省不動産・建設経済局長の楠田幹人局長は「皆さまからの声をしっかりとお聞きして、施策の充実強化につなげていきたい。改正建設業法が全国の現場でしっかりと根付き、適正な労務費の確保と行渡りを通じて技能者の処遇改善が図られるよう取り組んでいく」とあいさつ。

 国交省大臣官房の小林賢太郎技術審議官は「今後は、近年の猛暑への対応など地域の実情を踏まえつつ、最新の知見技術を総動員した多様な働き方の支援など、他産業とそん色のない労働環境と働き方の実現を目指したい」、関東地方整備局の橋本雅道局長は「働き方改革や生産性の向上などさまざまな対応が、一層重要になってくる。諸課題の解決に向けて、双方でさまざまな知恵、意見を出し合うことが大事」と述べた。

 全国建設業協会の今井雅則会長は「建設産業存続の危機意識を持って、担い手の問題、DXやICTを主体とした生産性の向上に取り組み、若者が憧れる魅力ある産業を目指している」とあいさつ。さらに「地域建設業が直面する諸課題について、官民が問題意識を共有し、双方が解決に向けた具体的な取り組みを進めていくという趣旨で開催し、全建としても大変重要な会議と位置付けている。諸課題の解決に向けて、新しい政府、与党に働きかけを行い、実現を目指していかなければならない」と呼びかけた。

 要望事項と発表協会は次の通り。

▽公共工事予算の拡充について(神奈川県)▽建設業の柔軟な働き方について(群馬県)▽外国人材受入における地域社会での共生に向けた取り組みなどについて(新潟県) ▽生産性向上のためのICT技術者の育成について(山梨県) ▽熱中症対策に対応した積算基準の見直しについて(長野県)▽建設工事における最低制限価格の算定基準率の引き上げについて(千葉県)▽建設従事者の適正な賃金確保について(茨城県)▽第3次・担い手3法の徹底について(埼玉県) ▽「地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)」の取り組み推進について(栃木県)

活発な意見を交わした 木下副会長

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