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栃木市、総合治水対策総仕上げ、年明け排水施設、調節池3件公告

2025/10/11 栃木建設新聞

 栃木市は、1級河川永野川と巴波川流域の総合治水対策総仕上げに入った。2026年1月には永野川右岸の坂ノ下川と岩崎川排水施設整備工事(薗部町4丁目)の一般競争入札2件を公告し、2月に開札する。4月には石橋川調節池築造工事(平井町)を公告し、5月に開札する。過去2度にわたる大水害では、市管理河川で内水被害が発生。県事業の抜本的な1級河川対策と整合を図りつつ、整備財源に国の緊急自然災害防止対策事業債を導入する。

 過去に水害が多発した薗部町4丁目や平井町付近の災害対策を強化。2019年東日本台風時には両エリアで浸水面積40・2ha、浸水被害約460戸(床上浸水約240戸、床下浸水約220戸)の被害が発生。再度災害を防ぎ、一帯の安全度を向上させる。

 太平山麓では坂ノ下川や岩崎川が流れ、永野川増水時にはバックウォーターの恐れが高い。これら小河川は永野川堤防より低い位置を緩やかに流れるため、両河川の住宅地側に排水ポンプと付属槽各1基を設置。逆流を防ぐフラップゲートを装着する。

 既存の排水樋門は手動式だけに、強制的にポンプ排水できる装置を付ける。毎秒最大0・2立方mを排水する。両施設の詳細設計は三井共同建設コンサルタントに委託。25年度の坂ノ下川ゲート設備詳細設計は栃木県用地補償コンサルタントが担当中。

 石橋川調節地は容量1800立方mで計画。住宅地だけあって雑草が繁茂しないよう全面コンクリート張り。地質調査はパスキン工業、調節池測量設計は三立調査設計に委託。設計の中で細部を詰め、来春に公告できるよう準備を整える。

 一方、29日には永野川流域の坂ノ下川調節池築造(園部町4丁目)、巴波川流域の清水川第1調節池と第2調節池築造(箱森町)の一般競争入札3件を開札する。予定価格は坂ノ下川が9410万円、清水川第1が1億9306万円、清水川第2が8215万円。

 坂ノ下川調節池は土工一式、ブロック積み工582平方m、自由勾配側溝工50・5m、U型水路工64・7m、立ち入り防止柵工264・3m、アスファルト表層舗装工603平方m、コンクリート舗装工1897立方m。工期231日。

 清水川第1~第2調節池は河川土工、放流水路工、流入施設工各一式。法覆護岸工は第1が762平方m、第2が454平方m。表層舗装工は第1が1521平方m、第2が480平方m。コンクリート舗装工は第1が747立方m、第2が177立方m。

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