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千葉県県土整備部

7年間で104億円投入/空港周辺IC着手「妥当」/県 県土整備公共事業評価審

2025/10/15 日刊建設タイムズ

 2025年度第1回県県土整備公共事業評価審議会(委員長=轟朝幸・日本大学理工学部交通システム工学科教授)が県庁本庁舎5階特別会議室(オンライン併用)で開かれ、「主要地方道成田松尾線成田空港周辺IC(仮称)」の事業着手について「妥当」とする方針案を了承した。事業期間は26~32年度の7年間。全体事業費は約104億円。同ICは、成田国際空港と首都圏中央連絡自動車道(圏央道)を直結し、最短でアクセスする地域活性化IC。今後圏央道への連結許可手続きを進めるとともに、国庫補助の採択に向けて調整を図る。

 同ICの整備により、第3滑走路の新設や新貨物地区の整備など「第2の開港プロジェクト」が進む成田空港へのアクセス強化や空港周辺地域の活性化を図る。

 設置場所は、芝山町菱田~多古町間倉。ルートについては、C滑走路をアンダーパスする「成田松尾線(仮称)滑走路横断道路」の函渠部から分岐して圏央道方向に延び、料金所を経て橋梁形式のランプにより圏央道を跨いだ上で、圏央道上下線に接続する。なお、整備に伴い支障となる多古町道染井・真倉線沿いの山林を掘削する。

 同ICの規模は、延長2・4km、幅員14・5m。幅員構成は、路肩2・5m×両端、車道3・5m×両側、中央帯2・5m。フルインターチェンジとし、形状はトランペット型。ランプ種別はA規格。設計速度は40km/h。計画交通量は1万400台/日。

 総事業費の内訳は、県負担分約72億円、高速道路会社(東日本高速道路など)負担分約32億円。県は、ランプなど接続部分の整備を空港会社(成田国際空港)と連携して行う。高速道路会社は、料金所の整備および本線の拡幅を担う。県としては、県負担分の半分程度の国庫補助を受けたい考え。

 費用便益比(B/C)が2・4で投資効果が見込めるとともに、圏央道へのアクセス向上、国際競争力の強化、まちづくり・救急医療の支援など地域活性化の効果が期待できることから、事業着手を妥当とした。

オンライン併用で開催した 平面図など 標準断面図

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