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群馬県沼田市

沼田浄水場更新事業の導・送水管の基本設計と官民連携導入可能性調査

2025/10/15 群馬建設新聞


沼田市は、沼田浄水場(下久屋町915)の更新事業の一環として、導・送水管の基本設計と導・送水管の整備に当たっての官民連携導入可能性調査を一括して年内に委託する。対象は白沢町高平町地内の沈砂池から現在の下久屋地内の沼田浄水場までの延長約6km。9月補正予算で委託料2761万円を計上した。委託方法は、指名競争入札となる可能性が高いが、現在検討中。

現在布設されている管が老朽化しているため、沼田浄水場の移転更新に併せて更新を行うもの。既設の管は石綿管で、φ250㎜~400㎜。布設替えの際に使用する管種や内径は設計業務の中で決定する。現時点では、移転後の浄水場は現在より高度が上がり自然流下式となるため、管径は既設よりサイズダウンすることも含めて検討を進めていく。

既設の管が埋設されているのは、国道120号に並行して走っている市道および沼田平用水の敷地内。布設替えの際には、国道120号をメインに整備したい考え。

また、一括して委託予定の官民連携導入可能性調査は、導・送水管路の基本設計業務で策定した内容について、実施設計と施工を一体で発注するかどうかの検討を行う。

計画では、2026年度内に基本設計と同調査を行い、早ければ27年度中に着工したい考え。導・送水管路の整備については、新設する浄水場の完成前に完了していることが望ましいため、当初の計画よりも前倒しして、委託業務に着手する。

新浄水場の建設地は、白沢地区コミュニティセンター(白沢町平出135-1)の東に位置する白沢町高平地内の市有地。農地転用は完了している。敷地面積は約1万4000㎡で、既存施設よりも標高が96m高く、標高差による位置エネルギーを利用した自然流下方式で配水するため、停電時の断水リスクの軽減やランニングコストの低減が期待できる。浄水方式は既存と同じ急速ろ化方式で、容量は1日あたり1万3300立方mとする計画。

既存浄水場は、浄化用高架水槽、中区高架水槽、沈殿池などから構成され、建設から40年以上が経過している。コンクリートの劣化や建物の老朽化が著しい状態となっている。

将来的には周辺の水道施設である下久屋上簡易水道や清水町簡易水道、白沢簡易水道との施設統合も可能としており、老朽化した下久屋町地内の低区配水池を廃止し、既存の浄水場敷地内に配水池の整備を行う方針も示している。また、自然流下方式となるため、老朽化の懸念がある中区と高区の高架水槽の撤去も可能としている。

浄水場更新事業では、このほど官民連携導入可能性調査業務をプロポーザルで、日本経済研究所(東京都千代田区)を選定。25年度末までの履行期限で業務をまとめる。計画では26年度に導入可能性調査の結果に基づいた事業者の中から新浄水場の詳細設計業務と建設工事を併せて発注する。33年度からの供用開始を目指している。

同事業の基本計画はNJS(東京都港区)が手掛け、基本設計については新日本設計(長野県長野市)が受注している。

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