県中北建設事務所は、中丸地区急傾斜地崩壊対策事業を計画している。今後の動きとして2026年度は現地の測量や地質調査、詳細設計業務の発注を予定する。
南アルプス市湯沢に位置する中丸地区の急傾斜地は、10年に土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域に指定されている箇所。斜面の平均斜面高は20mで、平均勾配は37度にも及ぶ。
斜面の上部には保全対象として7戸の家屋が点在するほか、地域住民の避難場所となっている中丸公民館が建っている。
対象地には南アルプス市の市道(L150m)も一部入っているため、斜面崩落から地域を守るため早期の対策工事が求められている。
対策の予定箇所は、中丸公民館と7戸の住居が位置する下部の斜面に係る2カ所を対象に工事を計画する。
現時点での対策方法として、なるべく環境負荷が少ない吹付枠工の採用を計画している。対象地域の土砂崩落を防止するため、斜面自体を固める方向で検討作業に入っている。
全体的な計画としてはL180mを想定する。このうち吹付枠工は全体面積で4800㎡を想定する。内訳は中丸公民館の下部で面積が700㎡、7戸の住居下部では面積4100㎡をそれぞれ見込んでいる。
今後の動きとして担当課によると、設計業務に必要となる現地測量や地質調査、設計業務を26年度中に実施できればと話す。
測量や地質調査、詳細設計を経て、27年度には用地測量や調査、工事に必要となる用地取得や補償に入る見通し。
これらが順調に進めば、28~33年度にかけて吹付枠工を進めて対策工事の完成を目指す。
なお、工事に係る総事業費については現段階で約4億円を見込んでいる。