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栃木県道路保全課

県道路保全課 宇都宮市の大通り2㎞、補正1500万円で空洞化調査

2025/10/15 栃木建設新聞

 県道路保全課は、管理道路の空洞化対策で宇都宮市の主要地方道宇都宮笠間線、宇都宮那須烏山線、国道119号(大通り4丁目~材木町、通称・大通り)約2㎞の調査に着手する。9月補正で調査費1500万円を予算化。2024年度に調査した材木町からの東進区間。電線共同溝や上下水道管路など地下埋設物が多く空洞化の進行が懸念されている。

 空洞化調査は材木町の裁判所前から1級河川田川を渡河する宮の橋西詰めまで。JR宇都宮駅と東武鉄道宇都宮駅などを結ぶ県都を代表する幹線道路。市がLRT西側延伸のため軌道敷設を計画している。

 24年度の大通りの空洞化調査は、主要地方道宇都宮栃木線との桜2丁目交差点から材木町の裁判所前まで約850mを実施。3車線の最も内側を中心に空洞化を確認。小規模な空洞だったため共同受注を委託している宇都宮建設事業協同組合が埋め戻し工事を実施した。

 調査は地中レーダ探査などを踏まえ、規模や要対策箇所数などを把握。後年度の対策工事に備える。空洞の有無は電磁波を地中に送信。電気的性質の異なる境界からの反射波により地下を可視化する地中レーダ探査が一般的。

 国土交通省は、全国の道路陥没発生件数と要因を継続的に調査。22年度調査のうち管理道路別では都道府県が1362件。要因では道路施設が68%を占め、このうち最も多いのが道路排水施設630件。道路占用物件は8%で下水道が39件と最も多かった。

 本県では18年度に野木町友沼の一般県道佐川野友沼線が陥没。バイクに乗った男性が転倒し軽傷を負った。佐川野友沼線下の県流域下水道管渠の破損が原因とされ、管渠更新と埋め戻し工事を実施している。

 継続的に対策工事を実施しているのは、佐野市の一般県道葛生停車場線。東武鉄道佐野線葛生駅から北に約2㎞区間を20年度に調査。大小約40カ所の空洞を確認し21年度から工事に着手した。

 葛生停車場線の空洞化の原因は不明。原因者特定には至らず、県が路面を削孔しグラウト注入による対策工事を21年度から継続的に実施している。

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