県峡南建設事務所は、戸川治水事業を計画している。今後は2025年度中に明許案件で現地測量や護岸設計業務を発注する見通し。26年度は詳細設計業務に移り、順調に作業が進めば同年度中に河道掘削工や護岸工に入る方向としている。
富士川町最勝寺地内において、西側から東側に向かって流れる戸川の一部を対象に治水事業を進めるもの。
全体計画によると、河川流域に架かる小室道橋から神明橋までの約1・2㎞間を対象に改修工事を予定する。
同区間は流下能力が低く、豪雨時には氾濫の恐れがある。02年7月の台風6号や11年9月に発生した台風15号の際には水位が上昇して、危険な状況となった。
河川の周囲には町営青柳団地や、町立ますほ南児童クラブなどの公共施設のほか、第2次緊急輸送道路の県道韮崎南アルプス富士川線が位置する。
地域住民の生命や財産、基幹インフラなどを水害から守るため、早期の対策工事が求められている。
現時点では、断面が足りないため対応するほか、河川に既存する高水敷を広げる方向で、流下能力を高めていく考え。
今後について、25年度は県単独予算を充てて現地測量などをまとめる。26年度に進める詳細設計業務が整った段階で、工事に着手する方向。工事完成見込みは31年度を予定している。
なお、戸川治水事業に係る総事業費については、約7億4000万円を見込んでいる。
【写真=富士川町内を流れる戸川】