水戸市は、水戸京成ホテル北側の三の丸駐車場(約1200㎡)について、新たな土地利用の促進を図るため、都市計画の廃止を検討している。現時点での整備方針・内容は決まっていない。市では10日、原案の縦覧を開始。意見等を20日まで受け付ける。県との協議などを経て、変更告示は2026年3月末を想定している。
三の丸駐車場は1968年12月に、市役所等の公共施設が集中していた当該区域周辺において、施設利用の利便を図るため、駐車台数約40台の地表式駐車場として都市計画決定した。
その後、99年に茨城県庁が市郊外の笠原町に移転したことに伴い、官公庁利用者の駐車場需要が大幅に減少。県三の丸庁舎駐車場等の供用に加え、近年では民間事業者によるコインパーキングの整備も進んでいる。
これらを踏まえて、都市計画駐車場としての指定を見直し、新たな土地利用の促進を図る必要があるとして、京成グループが市に都市計画の廃止を要望し、今回の変更手続きに至った。
都市計画が廃止となる三の丸駐車場は広さ約1200㎡。収容台数が50~70台。隣接する立体駐車場は廃止には含まれない。
さらに対象地西側の駐車場(1059・29㎡、三の丸1-107-2)は、県市町村総合事務組合が所有し、京成ホテルが賃借しているため、廃止後についても一定数の駐車場は確保できるものとしている。
新たな土地利用に向けた整備方針・内容は現時点で決まっていない。京成グループで不動産業を担当する京成電鉄茨城ホールディングスの担当者によると、「正式に変更告示され、建築制限が解除された後の2026年度以降、具体的な検討に入っていきたい」と示している。
市では10日、都市計画原案の縦覧を開始。20日まで意見を受け付けるほか、27日には本庁舎4階で公聴会を開催する。その後の想定するスケジュールでは、11月中旬から県との事前協議を開始し、26年1月中旬には計画案の公告・縦覧を行い、2月の市都市計画審議会、3月の県との本協議を経て、本年度内の変更告示を予定している。