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栃木県鹿沼土木事務所

鹿沼土木 樋管と堰操作室を移築、黒川600mを引き堤、護岸工

2025/10/28 栃木建設新聞

 県鹿沼土木事務所は、鹿沼市北赤塚町の1級河川黒川の改修で、右岸側引き堤に伴い樋管1基を改築、山崎堰操作室を移築する。整備は壬生町境の主要地方道宇都宮亀和田栃木線黒川橋から上流に600m。右岸側を最大52m引き堤し2・2m築堤。天端4mを確保する。左岸側の住宅が立地するエリアは堤防を2・5mかさ上げ、天端4mを確保。下流側栃木土木事務所管内の進捗を踏まえ右岸側既設堤防を撤去し河積を拡大する。2025年度は堰操作室の詳細設計や用地補償を進める。

 改修区間600mのうち左岸側は山崎堰付近から約150mを築堤・盛り土し、越水による堤内地の住宅など家屋を保全する。既設の取水口への擦りつけ区間には斜路を設置。上流側は丘陵部のがけ地で改修対象外。

 右岸側は引き堤し約550mを築堤・盛り土する。築堤した堤防下には樋管を付け替え、堰操作室を堤内地に移築する。山崎堰は壬生町土地改良区が管理している。

 本川は堆積した土砂や流木などを除去。堤防高6・5mを確保し河積を拡大する。

 黒川の改修は19年東日本台風で浸水被害が発生。栃木土木管内と一体的に引き堤や堤防のかさ上げを実施。河積の拡大に取り組む。被災後の20年度に栃木土木から路線測量、21年度の河道計画と22年度護岸設計を栃木県用地補償コンサルタントに委託。

 思川河川整備計画によると、黒川の施行区間は壬生町壬生の思川合流部から板荷の川化橋上流まで約23・4㎞。北赤塚工区は貝島橋下流区間にあたり、計画流量毎秒1200立方mに対応し暫定改修を進めていく。

 23年度に護岸詳細設計、24年度には構造物のうち樋管1基の詳細設計と地質調査、用地測量を実施した。

 樋管は既設の堤防から引き堤する堤防下に付け替える。既設の機能を維持したフラップゲートを計画。

 山崎堰は油圧式の自動転倒堰で現在の操作室は堰頭首工右岸の堤防上にあり、西側に引き堤した堤内地に移築する計画。

 躯体は最小寸法7・5平方m、高さ2m。RC造で水圧に強い仕様を検討。設備はゲートの開閉システム、平常時・洪水時などの水位観測設備などを付帯・内包。従来の燃料式から電気式の作動に変更する予定。

 路線測量は筑陽測量設計、護岸詳細設計を都市開発コンサルタント、用地測量は2分割で都市開発コンサルタントと栃木県用地補償コンサルタントが担当。樋管詳細設計が富貴沢建設コンサルタンツ、地質・土質調査を中央土木工学研究所、堰操作室詳細設計は大日本ダイヤコンサルタントに委託した。

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