国土交通省常陸河川国道事務所が進める国道6号酒門町交差点立体の全体事業費が新規採択時から21億円増加することが分かった。材料単価、労務費上昇や排水溝の付け替えによるもので、増額後の全体事業費は約81億円。今後の残事業費として74億8000万円を投じる。27日に開かれた関東地整事業評価監視委員会で事業費を増額しての継続が了承された。
交通渋滞の緩和、地域の安全性確保を目的として立体化するもので、2021年度に新規事業化。本年度から工事着手している。
事業区間は水戸市住吉町から酒門町間の延長1・1㎞、幅員4m。このうち立体交差区間は約500mで、橋梁区間約150mと、両側のアプローチ区間(擁壁)150m、200mで構成される。
事業費増加の要因では、排水溝の付け替えにより約1億円、材料単価、労務費上昇により約20億円で、計21億円の増額。
排水側溝の付け替えについては、施工中の切り回し道路で当初は仮設道路として1車線あたり2・75mの幅員を計画していたが、関係機関との協議の結果、交通事故防止の観点から3mに変更。これに伴い、切り回し道路の施工範囲が歩道部の既設排水路と干渉するため、排水側溝の付け替えが必要となった。
今後、切り回し道路の整備にあたり、排水側溝の付け替えの追加や上下線分離施工への変更により、施工時間に時間を要する見込み。早期完成を目指して工事を推進する。また、コスト縮減の取り組みとして効率的・効果的な維持管理に防草タイプのブロックを配置し、除草作業の省力化を図ることで維持管理費を軽減する。
酒門町交差点は、国道6号と国道50号が交差する信号交差点であり、北関東自動車道の茨城町東ICと水戸南ICが近接する交通の要衝となる。沿道には、水戸市中心部から連なる市街地が形成され、交差点への交通集中による渋滞および渋滞に起因する交通事故や車両の抜け道利用が課題となっており、立体化整備により交通の円滑化、渋滞の緩和、交通事故の減少を図る。
残事業費の内訳は次の通り。
◎工事費
◆改良費
◇土工(3785立方m)=1億6600万円◇地盤改良工(2780㎡)=2億1300万円◇擁壁工=6億9400万円◇管渠工(40m)=900万円◇函渠工(572m)=9400万円◇排水工(3446m)=1億2400万円◇中央分離帯工(898m)=3000万円◇縁石工(1400m)=5300万円◇雑工=8400万円
◆橋梁費
◇100m以上(151m)=44億3400万円
◆舗装費
◇車道鋪道(3万1194㎡)=6億5000万円◇歩道舗装(5131㎡)=5300万円
◆付帯施設費
◇交通管理施設工=2億3900万円◇取り壊し=4億8400万円
◎用地補償
◆用地費
◇補償費=3000万円
◎間接経費
◇地質調査、測量、測量に係る費用=1億2300万円

















