小山市教育委員会は、学校適正配置第1次基本計画案をまとめた。市内の小学23校は10の中学区に含まれ、これとは別に絹義務教育学区がある。検討の優先度が非常に高いSは美田中学区(寒川小、穂積小、中小)、優先度Aは乙女中学区(乙女小、下生井小)と桑中学区(羽川小、羽川西小、萱橋小)にランク付けした。児童数減少が著しい農村地域の美田中学区は、2026~27年度で地域検討組織の意向を踏まえた方針を決定する。
第1次の計画期間は26~30年度の5年間。市全体では児童生徒数が減少傾向。しかし宅地開発の影響により人数が増加し、教室数が不足する学校がある。市全体の老朽化施設の維持管理経費増大、教育機会均等、教育水準向上、教育環境の持続可能性が課題。
【美田中学区】
30年度の児童数は寒川小11人、中小41人、穂積小66人に減少と推計。校舎の築年数は寒川小55年、中小47年、穂積小47年。3校とも浸水想定区域に立地し、再編の際は移転が必要。特に寒川小は急激に児童が減少するため、早急な検討が待ったなし。
【乙女中学区】
乙女小、乙女中、下生井小が浸水想定区域に立地し地盤が沈下している。築50年が経過する乙女小校舎、築37年の乙女中校舎は高台への移転新築を視野に28~29年度で方向性を確認。30~35年度の間に用地取得や建設工事を進める。
【桑中学区】
30年度の児童数は萱橋小74人、羽川西小84人に減少と推計。逆に羽川小周辺は民間が230区画の宅地開発供給予定で児童数増加が確実視。羽川西小は浸水被害に遭っている。26~27年度で地域意向を把握し、27年度以降に検討組織を設置する。
【優先度Bランク】
▽小山中学区(小山第1小、小山城北小、若木小)▽小山第2中学区(小山第2小、小山第3小)▽小山第3中学区(小山城北小、大谷北小)▽大谷中学区(大谷東小、大谷南小)▽豊田中学区(豊田小)▽絹義務教育学区(前期、後期)を選定した。
【小山・小山第2中学区】
県立小山高は28年度に中高一貫校への再編を計画。定員は1学年120人。一定数の生徒が入学すると予想され、一方では城山町3丁目第2地区市街地再開発組合が小山駅西口再開発に着手。29~30年度で児童生徒数の推移を注視し、次期計画に反映する。
【小山第3中学区】
築53年の大谷北小校舎は学校敷地2万1407平方mのうち4018平方mが借地。加えて周辺では民間が250区画の宅地開発を予定しており、児童数増加が見込まれる。現地建て替えは望ましいとは言えず、26年度以降に様々な可能性を探る。
【大谷中学区】
大谷東小周辺では民間が180区画の宅地開発を計画し、児童数が増加の見通し。農村部の大谷南小の児童数は30年度に80人に減少と予測。大谷南小校舎は築55年が経過。児童生徒数の増減を見極め、現状を維持。29~30年度で対応策を検討する。
【豊田中学区】
豊田中校舎は築46年を経て改修または改築の時期を迎える中、30年度の生徒数は114人まで減少の見通し。豊田小校地に移転し、施設を共有化。必要な施設を増築し、小中一貫校機能を向上させる。31年度以降に併設の合意形成を図る。
【絹義務教育学区】
市内で唯一の義務教育校ながら児童生徒数が減少の一途。前期6年間の小学校(旧福良小校舎)、後期3年間の中学校(旧絹中校舎)間の距離が長い。後期課程校舎に集約し、一部を児童が使いやすく改修。31年度以降に集約の理解を得、合意形成後に改修する。
















