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山梨県中北建設事務所

26年度は測量や詳細設計/明神沢の2で砂防事業計画

2025/10/31 山梨建設新聞

 県中北建設事務所は、南アルプス市内の明神沢の2を対象に砂防事業を計画している。今後の動きとして2026年度から、現地での測量業務や詳細設計などを進める予定。測量業務や用地取得などが順調に進めば、28年度から砂防堰堤工事に移る見通し。

 南アルプス市芦安芦倉地内の整備予定箇所では、一級河川・御勅使川を流下する渓流が既存しており、対象箇所は土砂災害警戒区域に指定されている。

 渓流の状況は急勾配となっており、不安定な土砂や転石などが堆積して荒廃が進んだ状態にある。対象箇所には現在、砂防施設は未設置の状態となっている。昨今、頻発化する大型台風や集中豪雨がもたらす自然災害が発生した際には、土石流災害を引き起こす危険性がある。

 渓流の下流域には人家11戸が点在するほか、地域の指定避難所として利用する南アルプス市役所芦安支所が位置している。また、第2次緊急輸送道路として供用中の甲斐早川線も付近を通っており、砂防施設の整備により人家などの保全対象を危険から守るため、土砂災害を未然防止する必要性が求められている。

 現段階での整備内容としては、小規模渓流向けの杭式土石流・流木対策工を1基新設する予定。

 概要は高さ11mの支柱を対象箇所に打ち込む。このうちの高さ5・5m分は上部を流れる渓流から発生する恐れがある土砂をせき止めるため、地上に露出した状態とする。整備を計画する砂防堰堤のL35・1mにかけて、鉄製の網を設置する形を想定している。

 今後の整備に向けて現段階では、26年度には測量や詳細設計、地質調査を予定する。27年度には用地測量や調査、必要な用地取得と補償に移る。これらが順調に進めば、28年度から砂防堰堤工事に着手したい考え。完成見込みは30年度を予定している。

 なお、今回の砂防事業に係る総事業費については、約2億5000万円を想定している。

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