県上下水道課は、下水道ウォーターPPP導入可能性調査に着手。当初で国庫補助が見送られ、交付金の一部を充てた。マーケットサウンディングなど事業者の意向調査は2026年度早期に実施する見通し。官民連携では維持管理・更新の一体マネジメント方式レベル3・5の更新支援型を想定。28年度の導入を目指しており、4流域6処理区のうち当面は1~2処理区を試行。10年間の長期契約の中で契約期間が重ならないよう順次、処理区を増やしていく見通し。導入可能性調査は日本下水道事業団(JS)に委託した。
28年度導入を目指す背景には、交付金を充当した汚水管改築事業の円滑な移行を指向。国は耐震化を含む汚水管改築事業対象には前年度末までに入札・公募の開始(募集要項等の公表)を義務付けた。
同課では今年度に予定していた導入可能性調査、デューデリジェンス、マーケットサウンディングのうち取り引きにおける財務・法務のリスク調査と参画意欲を示す事業者の意向調査を26年度にスライド。汚水管改築事業のうち交付金対象外の緊急輸送道路や重要物流道路下の管路対策を先行する考え。
26年度後半からは入札・公募準備、27年度末にも入札公告、28年度早期の契約と引き継ぎを目指す。
県は現在、6カ所の浄化センターの包括的民間委託を実施。修繕を含む維持管理では250万以下を委託業者、250万円~1000万円まではとちぎ建設技術センターに委任。1000万円を超える修繕工事などは県下水道管理事務所から発注している。
下水道におけるウォーターPPPは公共施設等運営事業に直接あるいは段階的に移行するための官民連携方式。原則10年間の長期契約で管理と更新を一体的にマネジメントする。
国は31年度までに全国自治体で100件の具体化を試算。緊急輸送道路下の埋設汚水管の耐震化を除き、ウォーターPPP導入を国庫支援の条件とした。
レベル3・5は①長期契約(原則10年)②性能発注③維持管理と更新の一体マネジメント④プロフィットシェアーを満たすことが要件。
更新工事を含め一括で民間に委ねる更新実施型と発注に関係する技術力を地方公共団体に残す更新支援型に大別。実施型は地方公共団体の体制補完の効果が大きく、支援型では維持管理を担う民間企業の観点からより効果的な更新計画案の作成が期待できるとされている。県では支援型の導入を想定している。
管理者は実施型と支援型を任意に選択。レベル3・5の中で管路と処理場を一体的管理、あるいは対象施設ごとに業務範囲を使い分けることも可能。
県の流域6浄化センターは3年契約で民間事業者と包括的維持管理業務を実施。期限は鬼怒川上流と巴波川が25年度末、県央、北那須、大岩藤、思川は27年度末。包括的維持管理業務からPPPへ円滑な切り替えと併せ、管路との一体化や浄化センターと管路を切り離した契約方法なども検討課題。

 
            
















