小山市消防本部は4日、北消防署(仮称)の建設スケジュールを市議会に説明した。桑分署南側に隣接する旧桑公民館(羽川)を解体撤去後、市内2カ所目となる中核消防署を新設する。12月補正予算案に北消防署基本・実施設計委託料の債務負担行為(2025~26年度)を追加する。27年度当初に着工し、28年10月の運用開始を目指す。合理的な施設計画、先進的な設備の導入、維持管理や機能更新が容易な建築計画を立案する。
12月補正案の債務負担行為限度額は6700万円に設定。25年度内に設計コンサルと契約を締結し、履行期間は26年2月から8カ月を予定。自然災害の大規模化、新型コロナウイルス感染症拡大、高齢化社会の進展に伴う救急需要の高まり、女性専用室の確保に対応する。
旧桑公民館は国道4号沿線の羽川小学校前に立地。緊急出動の際の南北へのアクセス利便性に恵まれている。築39年の桑分署は個室や女性用の仮眠室、女性トイレが未整備。桑分署を消防署に格上げし、多種多様化する消防需要に万全を期す。
26年度は旧桑公民館を解体撤去する。跡地は敷地2101平方m。建物は2階建て延べ569平方m。16年1月に完成した桑市民交流センター「マルベリー館」に機能を移転した。旧建物の学童保育館への暫定利用が終わり、現在は未利用状態。
北消防署の基本・実施設計は26年9月末までに仕上げ、27年度当初に新築工事に着工。工期は11カ月を見込んでいる。27年度は桑分署解体と外構基本・実施設計を委託。北消防署の外構工事は27~28年度で進める。工期は7カ月。
28年10月の北分署運用開始後、桑分署解体撤去工事を単年度で終える。桑分署は敷地1040平方m、建物は延べ502平方m。跡地の外構工事を28~29年度で済ませ、全工程が完了。資機材納入遅延や工期延長が頻発しており、工程管理を強化する。
市の消防施設は消防本部・消防署(神鳥谷)、大谷分署(犬塚3丁目)、間々田分署(乙女3丁目)、野木分署(野木町丸林)、豊田分署(立木)、桑分署(羽川)、絹分遣所(福良)の7カ所を所有。消防本部・消防署と絹分遣所以外は築40年前後が経過する。
複数の分署は経年劣化し空調設備、車庫シャッター、トイレ、浴槽の不具合が発生。ほぼ集団仮眠室であり、個室や女性対応施設の整備が急務。給排水設備、照明、空調の修繕費が高額なため、長期的視点に立った施設整備の在り方を検討する時期に来ている。
北消防署は24時間365日の出動に備え、待機職員の勤務環境に適した機能を完備。救急車両2隊以上が収容できる車庫規模確保は最低条件。十分な規模の車庫、資機材保管庫、資機材準備スペース、出動準備エリア、仮眠室を円滑な動線で結ぶ。
















