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栃木県鹿沼土木事務所

鹿沼土木、思川深程 38年度まで、事業費48.4億円、来年度 小倉堰上流左岸を築堤

2025/11/07 栃木建設新聞

 県鹿沼土木事務所は、1級河川思川深程工区(鹿沼市亀和田~深程)6000mのうち上流側東北自動車道横断部~松原堰上流まで4500mを先行。2026年度には小倉堰上流左岸の堤防かさ上げ400mを計画するほか、1級河川大芦川合流部下流左岸700mの用地補償を進め築堤工の発注を目指す。深程工区は9月の県公共事業評価委員会で事業期間を38年度まで、総事業費は48億4000万円に見直した。

 深程工区は4500mのうち225mについて河道掘削により整備を完了。25年度は合流右岸の拡幅に伴う築堤と市道付け替え600mの工事を2分割で発注。角田建設と機械建設が受注した。

 事業費増額の原因となった松原堰の改築や支川の1級河川宮入川改修に伴う市道橋2橋の架け替えなど構造物等の詳細設計は21~22年度にまとめた。

 松原堰は3連鋼製自動転倒堰に改築、宮入川の2橋梁は単純PCプレテンション方式床版桁で架け替える。

 松原堰は改修区間上流端に位置し、直上流の取水樋門とともに改築する。取水樋門の規格は幅2300×高さ1200で管長が16m。基礎が直接基礎の引き上げ式ローラーゲート。取水樋門の詳細設計をオリエンタル技術開発が担当。

 松原堰の型式は鋼製横主桁形起伏ゲート。堰本体は幅61・6m、ゲート高2m。ゲート幅は左岸から19・7m、19・4m、19・7mの3門。左岸側に幅1・2mの魚道を設置する。

 堰の水密方式は前面3方ゴム水密、起伏方式が背面支持油圧シリンダー方式。基礎は場所打ち杭φ1000。詳細設計は三協技術が手掛けた。

 改築する排水樋門は4基。下流側から3基は左岸、松原堰上流部は右岸に設置。4基の基礎は直接基礎、ゲート形式はバランスウェイト式フラップゲート。

 規格は下流から幅2700×高さ1200で管長17・6m。中央部が幅1300×高さ1000の管長8・6m。上流側は幅2000×高さ1500で管長が28・5m。右岸の樋門は幅3200×高さ1100で管長18m。

 排水樋門4基の詳細設計はダイミック、ピーシーレールウェイコンサルタント、富貴沢建設コンサルタンツ、大日本ダイヤコンサルタントが担当。

 宮入川は下流側から市道橋の深程橋と中島橋を架け替える。深程橋の橋長は23・4m、幅員6・2m。下部工は直接基礎逆T式橋台2基。上部形式は単純PCプレテンション方式床版桁。詳細設計を新日本建設コンサルタンツが担当。

 中島橋は橋長20m、幅員6・2m。下部工が場所打ち杭φ1000の逆T式橋台2基。上部形式は単純PCプレテンション方式床版桁。詳細設計は富士コンサルタンツが担当した。

 深程工区の改修区間は本川の思川が東北自動車道~松原堰上流まで4000m、右支川の宮入川が思川合流部~中島橋上流まで500m。狭さく部の堤防を引き堤し河道を拡幅。水衝部の右左岸の堤防をかさ上げして大芦川合流部下流で土砂が堆積する清洲橋までの河道を掘削。宮入川は堤防をかさ上げする。

 計画流量は19年東日本台風と同規模の洪水でも溢れない計画とし、50年に1度の氾濫被害を防除する。計画流量は松原堰から大芦川合流部まで700mを毎秒1000立方m。合流後の3300mを毎秒2100立方mに対応した改修を進めていく。

 現在は半分程度の流下能力しかなく、標準断面で70~280mに拡大。堤防高不足箇所をかさ上げするほか、山付き河岸は現況を維持する。計画河床勾配は250分の1。付帯工事では橋梁架け替えや堰・樋門の改築など必要性を全体計画で検討してきた。全体計画は三協技術が担当した。

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