県測量設計業協会(吉竹行仁会長)は6日、国立長野工業高等専門学校の学生を対象とした測量実習を山ノ内町のやまびこ公園周辺で行った。一級河川夜間瀬川を題材に、会員たちが調査技術を直接指導した。
この取り組みは工学科の3年生を対象に毎年実施しているもの。実際の土木施設を題材に、測量の方法を指導するとともに、歴史的な背景なども伝え、インフラ施設の重要性について理解を深めてもらうことが目的。今回は土木・環境しなの技術支援センターのほか、地元の県北信建設事務所、山ノ内町と共同で企画した。
授業には都市デザイン系を学ぶ37人が参加。まず、夜間瀬川の土砂災害の歴史や、これを治めるために整備された砂防堰堤、直近の対策について北信建の西山広一所長が講義。その後、複数のグループに分かれ、測量実習、当地で発生した自然災害や砂防事業の歴史の深掘り、周辺にある災害対策施設の見学などを行った。実習では川幅やや堰堤の形状などを測定。「手荷物は作業の邪魔にならないよう1カ所にまとめること。まずは誰が何を担当するのか、皆で確認し合いましょう」などと声掛けしながら、技術面だけでなく、安全に作業を進めるための所作も指導していた。
長測協の安藤達也副会長は「今日は何よりも授業を楽しんでもらいたい。その上で調査設計業という我々の仕事を身近に感じてもらえればうれしい。土木系の学科を選んだのだから、願わくば将来、地元で学んだことを生かせる仕事に就いてほしい」と思いを語った。
学生たちは今後、調査結果を冊子にまとめ、山ノ内町へ贈呈する予定だ。
















