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栃木県小山市

小山市、消防庁舎基本構想 南北中央の3署体制、間々田分署を南消防署に

2025/11/08 栃木建設新聞

 小山市消防本部は、庁舎整備基本構想を策定した。管内全域の配置バランスを考慮し、再編整備の優先順位を①桑分署②間々田分署③大谷分署④豊田分署⑤消防本部・市消防署⑥絹分遣所-に決定。このうち桑分署を「北消防署」、間々田分署を「南消防署」に格上げし、現在の消防本部・市消防署は「中央消防署」に改称する。将来的には中央、北、南の3消防署体制になり、消防需要への対応に万全を期す。

 北消防署は桑分署南側に隣接する旧桑公民館(羽川)を解体撤去後、市内2カ所目となる中核消防署を新設する。12月補正予算案に北消防署基本・実施設計委託料の債務負担行為(2025~26年度)の限度額6700万円を追加する。

 25年度に建築設計事務所と契約を締結し、履行期間は26年2月から8カ月を予定。26年度は旧桑公民館を解体撤去。26年9月末までに北消防署基本・実施設計を仕上げ、27年度当初に新築工事に着手。工期は11カ月を見込んでいる。

 27年度は桑分署解体と外構設計を委託。北消防署外構工事は27~28年度で進める。工期は7カ月。北消防署は28年10月に運用を開始し、併せて桑分署解体撤去工事を単年度で終える。桑分署跡地の外構工事を28~29年度で済ませ、全工程が完了。

 市の消防施設は消防本部・消防署(神鳥谷)、大谷分署(犬塚3丁目)、間々田分署(乙女3丁目)、野木分署(野木町丸林)、豊田分署(立木)、桑分署(羽川)、絹分遣所(福良)の7カ所を所有。消防本部・消防署と絹分遣所以外は築40年前後が経過する。

 優先順位2位の間々田分署(南消防署)は敷地面積1119・67平方m。建物はRC造2階建て延べ669・62平方m、築46年が経過する。隣接する消防団車庫との複合化を視野に、同一敷地内または他の場所への移転新築を検討する。

 3位の大谷分署は敷地面積1507・72平方m。建物はRC造2階建て延べ671・29平方m、築41年が経過。4位の豊田分署は敷地面積2000平方m。建物はRC造2階建て延べ580・21平方m、築37年。両分署は隣接消防団車庫との複合化対象。

 5位の消防本部・市消防署(中央消防署)は敷地面積6066・95平方m。建物はS造3階建て延べ3743・77平方m。13年9月に元建物から南東1・5㎞地点に移転新築したため、築12年と比較的新しい。現行では市唯一の中核消防署。

 6位の絹分遣所は敷地面積2563・3平方m。建物はS造平屋建て延べ643・02平方m。築年数は最も新しい9年。優先順位付けしなかった野木分署は町から常備消防事務を受託している関係上、協議の上で整備方針を決める必要がある。

 市内は南北に国道4号と新4号国道、東西に国道50号の広域幹線道路が貫く。南北は北から桑分署、消防本部・消防署、間々田分署を配置。東西は東から絹分遣所、大谷分署、豊田分署を配置。救急隊の現場到着時間は全国や県平均に比べて早い。

 複数の分署は経年劣化し空調設備、車庫シャッター、トイレ、浴槽の不具合が発生。ほぼ集団仮眠室であり、個室や女性対応施設の整備が急務。給排水設備、照明、空調の修繕費が高額なため、長期的視点に立った施設整備の在り方を検討する時期に来ている。

 分署から昇格する消防署は24時間365日の出動に備え、待機職員の勤務環境に適した機能を完備。救急車両2隊以上が収容できる車庫規模確保は必須。十分な規模の車庫、資機材保管庫、資機材準備スペース、出動準備エリア、仮眠室を円滑な動線で結ぶ。

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