国土交通省が設置した住宅分野における建設技能者の持続的確保懇談会が、課題や検討の視点、方向性をとりまとめた。他産業に劣らない就業環境を構築することで建設技能者を確保し、結果として質の高い住宅の安定供給や適切な維持管理が行われる社会を目指している。
とりまとめでは、住宅分野を支える大工ら建設技能者が急速に減少・高齢化している中で、将来の担い手不足に対応するため▽選ばれる業界・職場▽育成環境の整備▽担い手の裾野拡大▽マネジメント強化―の4つの視点を示している。
選ばれる業界になるため、まずは『社員大工化』の促進を提示。正規雇用や月給制、週休二日制を整備し、安定した職場へと転換する。さらに、キャリア形成の見える化やCCUSの活用により、やりがいの醸成を図る。
育成面では、業界団体と教育機関が連携して技能職の魅力を発信。複数工務店による共同教育や、外国人材を含めたキャリア育成プランの作成も提案している。担い手確保では、女性技能者や外国人の入職促進、トイレや更衣室の整備による働きやすい現場づくり、地域住民参加型の『コミュニティ大工』など新たな仕組みを示した。
さらに、中小工務店の経営基盤強化や事業承継、M&Aを通じた大規模化、リフォームや非住宅木造などへのビジネスモデル転換も盛り込んだ。生産性向上に向け、プレカットやパネル化に加え、DX・AIを活用した現場点検作業や人材育成も図るよう述べている。
また国交省が関係省庁と連携し、住宅建設技能者の持続的確保に向けた中長期ビジョンを策定する必要性を示している。
















