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千葉県県土整備部

多重化計画検討も視野/流域下水道3件の継続了承/県土整備公共事業評価審

2025/11/11 日刊建設タイムズ

 2025年度第2回県土整備公共事業評価審議会(委員長=轟朝幸・日本大学理工学部交通システム工学科教授)が10日、県庁南庁舎4階県土整備部会議室(オンライン併用)で開かれた。社会資本整備総合交付金・下水道事業の「印旛沼流域下水道事業・印旛処理区」「手賀沼流域下水道事業・手賀沼処理区」「江戸川左岸流域下水道事業・江戸川左岸処理区」について、前回の評価から5年経過したことを受けて再評価を行い、「事業継続」とする対応方針案を了承した。また、県土整備部は、埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けて国が策定する管路の多重化の計画を踏まえ、各事業において計画の検討を行う可能性があるとした。

 前回評価からの5年間で、印旛処理区と手賀沼処理区の処理場については、地震対策やストックマネジメント計画に基づく施設の更新・改築などを中心に行ってきた。

 江戸川左岸処理区においては、地震対策や更新・改築に加えて江戸川第一終末処理場第2系列の整備も推進し、27年度の供用開始を目指している。25年度には第3系列の整備に着手する予定で、高度処理化も計画している。

 今回の再評価における事業継続の理由は、事業の投資効果が見込めるとともに、生活環境の改善や公共用水域の水質保全などに寄与しているほか、代替案(浄化槽、単独公共下水道事業)との比較結果から流域下水道での整備が経済的であるため。

 「印旛沼流域下水道事業・印旛処理区」は、12市1町の流域関連公共下水道から排除される汚水を受け入れ、処理する幹線管渠および処理場などの整備を行うもの。下水排除方式は分流。処理場は、花見川終末処理場と花見川第二終末処理場。

 事業期間は1968~2050年度。総事業費3870億円のうち、残事業費は597億円。処理区域面積2万4073haに対し、77%に当たる1万8554haを整備済み。処理人口130万8100人に対し、普及率は99%に当たる130万1028人。処理施設については、全体計画の処理能力合計71万3000m3/日に対し、67万8800m3/日を整備済み。供用開始区域の接続率は99%。

 「手賀沼流域下水道事業・手賀沼処理区」は、7市の流域関連公共下水道から排除される汚水を受け入れ、処理する幹線管渠および処理場などの整備を行うもの。下水排除方式は分流。処理場は、手賀沼終末処理場。

 事業期間は1971~2049年度。総事業費2310億円のうち、残事業費は250億円。処理区域面積1万2102haに対し、8124haを整備済み。処理人口65万7700人に対し、普及率は96%に当たる63万3977人。処理施設については、全体計画の処理能力合計33万700m3/日に対し、29万2050m3/日を整備済み。供用開始区域の接続率は93%。

 「江戸川左岸流域下水道事業・江戸川左岸処理区」は、8市の流域関連公共下水道から排除される汚水を受け入れ、処理する幹線管渠および処理場などの整備を行うもの。下水排除方式は分流。処理場は、江戸川第一終末処理場と江戸川第二終末処理場。

 事業期間は1972~2049年度。総事業費3820億円のうち、残事業費は160億円。処理区域面積1万9624haに対し、1万1859haを整備済み。処理人口137万8800人に対し、普及率は89%に当たる122万1039人。処理施設については、全体計画の処理能力合計70万1200m3/日に対し、49万4000m3/日を整備済み。供用開始区域の接続率は94%。

花見川終末処理場の事業進捗状況 花見川第二終末処理場の事業進捗状況 手賀沼終末処理場の事業進捗状況 江戸川第一終末処理場の事業進捗状況 江戸川第二終末処理場の事業進捗状況 オンライン併用で開催した 千葉県の流域下水道事業

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