記事

事業者
栃木県宇都宮市

LRT宇都宮駅西側延伸 地表3980m、嵩上げ870m、都市計画決定・変更へ

2025/11/11 栃木建設新聞

 宇都宮市は17日から12月1日まで、LRTのJR宇都宮駅西側延伸へ向けた都市計画素案を縦覧する。特殊街路(軌道)10・7・102号宇都宮西ライトレール線の決定、幹線街路3・2・101号大通りと3・4・116号駅西口広場北通りの変更手続きに入る。2026年5月頃の市都市計画審議会に諮り、審議後に都市計画決定の見通し。27年11月に事業を開始し、36年3月の開業を目指す。概算工事費698億円(税抜き)を見込んでいる。

 特殊街路10・7・102号宇都宮西ライトレール線は延長約4850m、幅員7m。幹線街路3・2・101号大通りは延長約6480m、標準幅員30mの4車線。幹線街路3・4・116号駅西口広場北通りは延長約110m、幅員18mの2車線を計画した。

 大通りは区域を変更。主に西口駅前広場を約1万9100平方mに拡張し、一部幅員を変更する。駅前通り3丁目を起点に一の沢1丁目を経由し駒生町が終点部。構造形式は地表式。地表式区間のLRT交差構造は街路と平面・立体交差が12カ所。

 駅西口広場北通りは区域を変更。西口駅前広場の拡張に伴い都市計画決定延長約170mを約60m短縮。川向町を起点に駅前通り1丁目の旧篠原家住宅付近を終点とする。構造形式は地表式。地表式区間のLRT交差構造は平面交差が1カ所。

 宇都宮西ライトレール線は宮みらいの駅東口停留場を起点に教育会館付近の駒生1丁目が終点。LRTの運行経路全線を新設。宮みらい~駒生1丁目の地表式は約3980m、嵩上げ式は約870m。停留場を12カ所、留置施設を教育会館付近の県有地に設ける。

 宇都宮駅のLRT高架化ルートは東北新幹線高架の駅舎3階と宇都宮線駅舎1階の間の2階部分を軌道が横断。駅東側で一度下車し東西自由通路を渡り駅西側で改めて乗車するのではなく、東西軸の分断がなく乗り換えなしでスムーズに運行する。

 停留場12カ所は①JR宇都宮駅西口②上河原③宮島町十文字④馬場町⑤県庁前⑥東武宇都宮駅前⑦裁判所前⑧新川⑨桜通り十文字⑩美術館前⑪護国神社前⑫教育会館前。停留場は需要予測結果や沿線の建物立地状況を勘案し、十分な滞留空間を確保する。

 駅西側延伸部線形は安全性や速達性に配慮。駅東側と同等以下の平面曲線や縦断勾配となるよう計画。基本的に既存道路空間の中央に敷設し、JR横断部と田川渡河部はLRT専用の立体化を図る。低騒音、低振動の快適な制振軌道で走行する。

 JR宇都宮駅~都心環状線と交わる裁判所前をⅠ区間、裁判所前~内環状線と交わる桜通り十文字をⅡ区間、桜通り十文字~教育会館前をⅢ区間に設定。大通りの通過交通量を抑制するため、他の道路への誘導で交通混雑を緩和。区間ごとに道路空間を再編する。

 Ⅰ区間は公共交通と人の回遊・滞在の共存(バスと一般車の動線分離、停車帯設置)、Ⅱ区間は広域的な自動車通行機能の確保(交差点拡幅、路肩への自転車走行空間整備)、Ⅲ区間は自転車・歩行者の安全な通行や自転車の広域的な通行機能を確保(全区間拡幅)。

 宇都宮西ライトレール線約4・9㎞は市道(約0・6㎞)、一般県道宇都宮停車場線(約0・1㎞)、主要地方道宇都宮笠間線(約0・7㎞)、主要地方道宇都宮那須烏山線(約0・8㎞)、国道119号(約1・2㎞)、主要地方道宇都宮今市線(約1・5㎞)で構成する。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら