記事

事業者
千葉県木更津市

再整備先送り視野/戦略の早期見直し検討/木更津市 卸売市場運営審

2025/11/14 日刊建設タイムズ

 木更津市は12日、2025年度第1回地方卸売市場運営審議会(会長=石渡肇・木更津市農業協同組合代表理事組合長)を公設地方卸売市場管理庁舎2階会議室で開催した。2024~33年度を計画期間とする公設地方卸売市場経営戦略に基づく取り組みの進捗が図られている一方で、取扱高が依然として減少傾向にあることが分かり、複数の委員から経営戦略の早期見直しと、卸売市場再整備までの準備期間の延長を求める声が上がった。26年1月の開催を予定している第2回審議会以降、検討を行う。

 経営戦略は、24年3月の策定から5年後に見直しを行い、10年後に改定することとなっている。本来であれば、見直しの時期は28年度だが、現状に即したものとし、取扱量の安定化を図るため、早期見直しの要請がなされた。

 経営戦略は、卸売市場再整備基本計画を包含している。

 卸売市場については、老朽化、耐震性能の不足、取扱高の減少傾向といった課題に対応し、市場機能の維持と地域活性化を図るため、再整備を予定。

 再整備においては▽耐震性能=旧耐震基準の市場施設の早急な再整備▽品質管理機能=閉鎖式のコールドチェーン化の整備▽加工機能=加工施設の敷地の確保▽賑わい機能=食をメインとした賑わい施設の整備――を導入することとし、市役所跡地を適地と定め、市場施設を従来方式、賑わい施設を定期借地方式により建設する方向となっている。

 概算事業費は約24・6億円。市場施設の規模は青果部2880㎡(うち卸売場2100㎡)、水産物部2730㎡(うち卸売場900㎡)、管理および組合事務所など347㎡の合計5957㎡を想定。

 市場施設については、27年度に基本設計、28年度に実施設計をまとめ、29年度と30年度の2か年で建設工事を行う予定。賑わい施設などの整備に当たっては、28年度に事業者を公募し、29年度と30年度の2か年で建設を推進。市場施設とともに、31年度の供用開始を目指している。

 新市場の整備に向けた卸売業者の取り組みや都市計画に関する手続きなどに必要な期間として、24年度から3か年を準備期間と位置付けている。

 しかし、委員からは「取扱高が安定せず減少に歯止めがかからない状況にあり、今後も厳しい経営が見込まれるが、残りの1年で結論は出るのか」や「情勢が落ち着くまで準備期間を延長してはどうか」などの意見が上がった。


仮設事務所の設置/26年度建設を予定


 水産物部卸売場および青果部卸売場の建物は、建築から50年以上が経過。耐震性能が不足し、危険な状態であることから、再整備までの間、2階にある卸売業者事務所を移転する計画。

 青果部卸売業者事務所については、卸売市場敷地内の君津郡市広域市町村圏事務組合の事務所建物の使用を検討中。

 水産物部卸売業者事務所は、卸売市場敷地内に仮設事務所を建設して対応うる考え。26年度に建設工事を行い、早ければ27年度に移転する予定。

 仮設事務所建設の設計は、赤坂建築設計事務所が担当している。また、地質調査を国際技術コンサルタンツが行った。

卸売市場の現状の説明と24年度の取り組みの振り返りを行った

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら