国土交通省は労務費の行き渡り徹底に向け、都道府県や政令市に対してダンピング対策の対象工事について拡大を要請する。またダンピング対策が進まない管内市町村に対する都道府県の働きかけについても強化するよう要請する。ブロック監理課長会議などを通じて求めていく方針。
適正な労務費の確保・行き渡りのための改正建設業法等は、12月12日に完全施行することが閣議決定している。これにより公共工事の入札時、応札者は入札金額内訳書に材料費や労務費などを記載し、発注者は内容を確認することになる。同省では労務費の行き渡り徹底について「これまで以上に発注者は取り組む必要がある」と考えている。
こうした状況を踏まえ、同省は都道府県・政令市に対してダンピング対策の拡大を求めていく。対策としては低入札価格調査制度や最低制限価格制度の適用対象工事を広げる方法のほか、新たに導入する労務費ダンピング調査により直接工事費が一定水準確保されているかを確認する方法も示している。
同省では今後、ダンピング対策の実施率について調査を行い、フォローアップおよび『見える化』を行う考え。
13団体は直接訪問
都道府県によるダンピング対策に関する市町村への働きかけについては、すでに各団体で行っていることが同省に報告されている。市町村を訪問して要請する団体は13団体。発注者協議会における周知は22団体。同省では働きかけのさらなる強化を求めている。
訪問・要請を行った13団体のうち、茨城県は低入札価格調査制度・最低制限価格制度の実施率が低い自治体を訪問し、所管部署の課長級以上を対象に要請を行った。三重県は副市長に導入を呼びかけ。愛媛県は対策が遅れている市町村に原因を聞き、助言を行った。
発注者協議会などで周知を行っている22団体では、滋賀県が各市町の取り組み状況を『見える化』して提示。奈良県では外部講師による案内を実施している。
このほか島根県は副市長会で取り組み強化を要請。宮崎県は会合で助言・意見交換を行っていることが報告されている。
















