県中北建設事務所は、南アルプス市に位置する押越沢を対象に砂防事業を計画している。今後の動きとして2026年度には測量や詳細設計、地質調査を行う見通し。現地の測量業務や必要となる用地の取得が順調に進めば、28年度からは砂防堰堤工事に着手し、完了は現時点で33年度を目指す。
南アルプス市芦安安通地内の押越沢は、市の北西部に位置する。渓流の流域面積は0・17キロ平方mで、土砂災害警戒区域に指定されている。
渓床勾配も急峻にあり、沢の上流域付近には山腹崩壊が確認されている。現地には尖った石も多く荒廃が進んでおり、昨今の異常気象に伴う大型台風や豪雨時の際には土石流発生の危険性が想定されるため、早期の対策が必要となっている。
渓流から下流域には地域の指定避難所となっている市立芦安小学校・中学校、芦安交流センターなどが位置する。地域でも特に利用の多い公共施設が集中しているエリアに当たる。そのため人家も多く点在しており、付近には地域住民の生活道路として利用する市道も位置しているため、これらの保全対策が求められる。
現時点で想定される整備内容としては、対象箇所にコンクリート製の砂防堰堤を1基整備する予定。
概要はH7・5m、L101m。今後の設計業務や調査業務の進捗により、砂防堰堤の詳細な概要を詰めていく。
整備に向けた動きとして、26年度に測量や詳細設計、地質調査を予定する。27年度には用地測量や調査、用地取得や補償に移っていく。
これらが順調に進めば、28年度からは砂防堰堤工事に着手し、完了時期は33年度を見込んでいる。
なお、整備に伴う総事業費には、約5億5000万円を想定している。
















