県県土整備部は19日、第5回首都圏空港道路ネットワーク検討分科会を県文書館6階多目的ホール(オンライン併用)で開催した。これまでの検討結果を踏まえ「新しい成田空港を支える高規格道路ネットワーク構築の基本方針案~千葉県版WISENET2050の実現に向けて~」を決定。成田と都心・羽田の連結強化につながる新たなネットワーク形成に向け、東関東自動車道に加えて北千葉道路と新湾岸道路を両輪とし、有料道路事業を活用して最優先で新たなネットワーク形成を図る。また、北千葉道路は、国道16号以東についても都心と成田空港を信号なく直結する規格の高い道路としてサービス水準を向上するため、計画の見直しを進める。
分科会は、県土整備部、関東地方整備局、千葉市、東日本高速道路関東支社の道路関係部署の課長級職員などで構成。オブザーバーとして、成田国際空港と県総合企画部も参加した。
会長の近藤亮・県土整備部道路計画課長は冒頭、「これまでの分科会において、有識者の意見発表や道路利用者へのヒアリングを踏まえ、成田空港の拡張事業や周辺地域の開発など増大する交通需要に対応するため、高速道路ネットワークのあり方について議論を進めてきた」振り返り、「本日の会議では、これまでの分科会で確認した事項を踏まえ、高規格道路ネットワークのあり方の基本方針の案について議論を進めたい」と述べ、有意義な会議となるよう祈念した。
基本方針案では▽成田と都心・羽田の連結強化につながる新たなネットワーク形成▽圏央道・アクアライン軸(ゲートウェイ・コリドー)の強化▽高規格道路アクセスの改善▽ネットワークを賢く利用する取り組み――を挙げた。
閉会後、記者団の取材に応じた木下博道・県土整備部道路計画課副課長は「国が入った会議体で方向性を合意できたことは非常に大きい。上部組織の道路協議会においてさらなる合意を図った上で、基本方針に基づき、推進していきたい」と力を込めた。
道路協議会の2025年度第1回は、20日午前11時から県庁中庁舎4階県土整備部会議室(オンライン併用)で開催する。幹事会の結果を報告し、基本方針を策定する。
基本方針案の内容などは次の通り。
【成田と都心・羽田の連結強化につながる新たなネットワーク形成】
▽唯一の成田空港アクセスである東関東自動車道に加え、都心と成田空港を最短で結び東京外かく環状道路(外環道)と接続する北千葉道路および、渋滞が顕著な京葉道路を補完し外環道・東関東自動車道館山線と接続する新湾岸道路を両輪として、地域と意識を共有しながら、スピード感を持ち、有料道路事業を活用して最優先で新たなネットワーク形成を図る
▽新湾岸道路の計画の具体化に当たっては、広く関係者の意見を把握しながら、丁寧に合意形成を図る
▽北千葉道路は、外環道~国道16号が自動車専用道路として計画されているが、16号以東についても都心と成田空港を信号なく直結する規格の高い道路としてサービス水準を向上するため、計画の見直しを進める
【圏央道・アクアライン軸(ゲートウェイ・コリドー)の強化】
▽成田空港から首都圏中央連絡自動車道、東京湾アクアラインを経て羽田空港に至るルートは、成田と羽田を結ぶ新たな代替軸となり、ゲートウェイの効果を首都圏へと広域に波及させるコリドーとなるため、渋滞状況を監視し、圏央道の4車線化やアクアラインの6車線化などを含め、機能強化に向けた検討を行う
【高規格道路アクセスの改善】
▽シームレスなサービスレベルを確保し、高規格道路ネットワークの効果が沿線地域に波及するよう、千葉港などの拠点アクセスの円滑化や高規格道路のインターチェンジ周辺の県道などにおける渋滞ボトルネックの解消を図る
【ネットワークを賢く利用する取り組み】
▽高速道路の経路間における料金水準の整理・統一を進めることにより、経路に関わらず円滑なアクセスを確保することが重要
▽需要に働き掛けるTDMなど、ネットワークをより有効に活用していくための方策や道路規格に応じた安全で快適な走行に向けて検討を行う
















