県矢板土木事務所は、高根沢町中阿久津の急傾斜地崩壊対策事業中阿久津東ⅡA地区の対策工法を固めた。北側から吹付法枠工2カ所延べ45・4mと4カ所に地山補強土工延べ197・9mを計画。降雨などによるがけ崩れや土砂災害を抑止する。今後は用地調査を実施。用地交渉・借地契約に備えるほか、崩壊防止工事にあたり急傾斜地崩壊危険区域を指定する。
中阿久津東ⅡAは1級河川鬼怒川左岸に形成され南北に伸びた38度程度の急傾斜地。大雨が降ると土砂災害が発生する恐れのある土砂災害特別警戒区域と土砂災害警戒区域に指定されている。
工事は人家と阿久津中学校体育館が崖上に位置する斜面の安定化を図る。斜面下には阿久津中グラウンドが所在。北側から吹付法枠18m、吹付法枠とFRP受圧板縦横1m間隔で鉄筋を挿入し地山補強土工27・4mを施工。
同地の急傾斜地の直高は18m。自然傾斜変換点から人家が立地する崖上の被害想定区域は直線で18m、がけ崩れによる誘発助長区域が10mを占める。
がけ高30度を超える自然傾斜変換点からがけ下の急傾斜地の概算延長が20m。がけ崩れによる崖下の被害想定区域は直線で36m、うち誘発助長区域が10mを占める。
中央部から南側3カ所の工法は、地山補強土工(FRP受圧板縦横1m間隔)を延長38・5m、97m(FRP受圧板縦横1・2m間隔)、35m(FRP受圧板縦横1m間隔)を計画した。
同地には町地域防災計画で避難場所に指定されている阿久津中学校が立地。災害時の重要拠点となっており、対策工事により人家4戸と併せて保全する。
22年度に砂防調査で平面図化を実施。現況を確認し延長約400m、面積約7000平方mの対策の必要なエリアを把握した。
24年度には国庫交付金を充当し路線測量、詳細設計、地質・土質調査を委託した。平面図化と路線測量が東亜サーベイ、詳細設計をピーシーレールウェイコンサルタント、地質・土質調査は第一測工が担当。用地調査は那須測量が落札した。
















