下野市教育委員会は、南河内第2中学校区学校給食センター(仮称)の建設工事着手の1年先送りを決めた。変更後の想定では本体は2026年9月の市議会定例会に工事請負契約締結議案を提出し、28年3月の完成を目指す。受配する3校の付帯工は28年の夏休みに施工し、本体とともに夏休み明けの本格稼働を予定。併せて実施設計過程で地盤改良費が大幅に増加することが判明。継続費を精査し、25年度3月補正で年割額を変更する。
市は25年度当初予算で3年間の継続費16億6190万9000円(25年度1662万円、26年度12億2981万2000円、27年度4億1547万7000円)を設定。建設地は薬師寺保育園跡地(薬師寺2362-5)の3753・01平方m。
基本・実施設計は大森一級建築士事務所が担当。地盤調査の結果、支持力を確保する工事が不可避と判断。地盤改良費増額に加え、建設単価改正や物価上昇率を見据えた事業費変更を迫られた。付帯工は受配校の南河内第2中、祇園小、緑小の給食搬入搬出口改修。
当初は国の学校施設環境改善交付金の25年度補助採択を前提に工事計画を立案。4、6、9月と3回にわたる申請では補助採択が見送られた。国が災害時の避難場所となる学校体育館空調設備設置を優先したため、市は26年度に改めて補助申請する。
計画では25年10月に建築本体、機械設備、厨房設備、電気設備の4工種分離の条件付き一般競争入札を公告。市議会12月定例会の承認後、26年1月~27年6月の2カ年で施工。27年7~8月は受配校の付帯工を済ませ、27年9月の稼働予定だった。
給食センターの想定延べ床面積は約1292平方。屋根には太陽光パネル25枚(10㎞㍗)を設置する。周囲は農地が広がる市街化調整区域。東側は主要地方道宇都宮結城線に接し、敷地と道路の高低差はほぼなし。食材搬入や給食搬出に十分なスペースを割ける。
被汚染エリアにはコンテナ室123・83平方m、カートイン消毒保管庫34・12平方m、配送風除室25・91平方m、調理室152・75平方m、炊飯室31・34平方m、和え物調理室26・97平方m、アレルギー調理室16・25平方mを配置。
汚染エリアは洗浄室、検収室、米・魚・肉・野菜の各荷受け室、洗米室、米庫、下処理室2、食品庫、残菜庫、廃棄庫、洗剤庫、男女別衣類靴殺菌保管庫で構成。調理員用には休憩室、男女別更衣室、男女別トイレ、洗濯乾燥室、物品庫、物入れを設ける。
管理諸室は車庫72平方m、事務室、倉庫、給湯室、書庫、男女別更衣室、多目的兼男子トイレ、女子トイレ、消火栓ポンプ室。建物東側の荷受けプラットフォームは39・9平方m、南側の回収プラットフォームは24平方m、北側屋外には設備を並べる。
建設地から供給先までの距離と車両配送時間は祇園小1・3㎞(4分)、南河内第2中2㎞(5分)、緑小2・7㎞(6分)と近接。施工期間中は3校の学校運営への影響がなく、工事車両の錯綜や騒音振動の心配がない。敷地に余裕があり、設計の自由度が高い。
給食調理能力は日量1000食。受配校は祇園小(370食)、緑小(270食)、南河内第2中(350食)。3校の自校方式調理場は建物や設備が老朽化し、学校給食衛生管理基準で定める要件に不適合。加えて児童生徒数増減への柔軟な対応が難しい。
現行の調理場面積と築年数は祇園小173平方m(37年)、緑小209平方m(30年)、南河内第2中187平方m(31年)。汚染作業区域と非汚染作業区域が部屋単位で区分されておらず、完全に分離したアレルギー対応調理ラインの整備が待たれている。
















