建設コンサルタンツ協会(建コン協)など建設関連業3団体は26日、スライド条項の試行的適用などを求める要望活動を実施し、金子恭之国土交通相が了承した。国土交通省は2026年度以降に新規契約する直轄の建設コンサルタント業務において、試行的にスライド条項を適用する。実現すれば直轄業務への初めての適用となる。
要望活動は建設コンサルタンツ協会の大本修会長と全国測量設計業協会連合会の藤本祐二会長、全国地質調査業協会連合会の田中誠会長らが実施したもの。見坂茂範参議院議員が同行した。
スライド条項は、直轄では「公共工事標準請負契約約款」に定められ、工事に適用されている。一方で、業務への適用は「出来高が確認しづらいのが課題」(建コン協)だった。今回の試行では変更額やスライド額を適切に算定できる業務から適用を開始し、業界団体の意見を踏まえながら拡充に向けた検討を進める。
大本会長は金子国交相に対し「(技術者集団である)われわれの業界では『人』が全て。担い手確保に向けて賃上げに取り組んでいる」としながらも、経営の窮状を訴え、技術者単価の継続的な引き上げやスライド条項の試行導入など5項目を要望した。
金子国交相は「技術者の担い手確保や働き方改革のために賃金水準の向上は重要」と応じ、13年連続で引き上げている設計業務委託等技術者単価については「引き続き実勢を反映した適正な単価設定に努めてまいりたい」と回答した。
金子国交相との面談後、大本会長は記者に対し「前向きな回答をいただいた。まずは(出来高が)目に見える橋梁点検業務などでスライド条項を試行していただき、出来高が把握しづらい業務への導入をどうするかも含めて検討していければ」とさらなる展開に期待を込めた。
3団体の要望事項は次の通り。
▽第1次国土強靱化実施中期計画に基づく国土強靱化の着実な推進
▽25年度補正予算の大幅確保、26年度公共事業当初予算の大幅確保
▽設計業務委託等技術者単価のさらなる引き上げ
▽年度をまたぐ建設コンサルタント業務などにおけるスライド条項の試行導入
▽低入札価格調査基準価格の引き上げおよび予定価格の上限拘束の撤廃

















