建設業における労働災害は、関係者の熱意と日々の自主的な労働災害防止活動により、その発生件数は長期的には減少傾向にあります。しかしながら、全産業死亡災害の約3割を建設業が占めており、依然として厳しい状況に変わりがありません。
これから迎える年末年始は、長期の休業前の慌ただしい中での作業や休業後に生活リズムが戻らない中で作業が行われるなど、労働災害の発生リスクが高まることが懸念されます。
例年通り、本年も年末年始労働災害防止強調期間を迎えることとなりました。
千葉県内の建設業における死亡災害は、昨年は9件と一昨年の10件から大幅な減少を図ることはできませんでした。今年は10月31日時点で昨年同時点と同じ9件の発生を見ており、年末は何としても「死亡災害0」で本年を終了したいものと強く望むところです。
本年の死亡災害9件の事故の型を見ますと、「墜落・転落」が3件、「崩壊・倒壊」「転倒」「激突され」「挟まれ」などがそれぞれ1件となっており、死亡災害の減少・撲滅のためには、やはり墜落・転落災害の減少・撲滅を図ることが重要となっております。
令和5年4月から国の第14次労働災害防止計画がスタートしておりますが、建災防の第9次建設業労働災害防止計画も同じ時期にスタートしております。
第9次建設業労働災害防止計画では、死亡災害減少の目標として第8次計画期間5年間の年平均発生件数に対して15%以上の減少を掲げており、千葉県の場合、第9次計画期間中の年平均発生件数8件以内が目標値となります。
一昨年が10件、昨年が9件の死亡災害の発生をみており、計画スタートから2年連続目標値の年平均8件以下を達成することが出来ませんでした。
今年に入って残念ながら、10月末までで既に9件の発生を見ており、目標値の8件以内を超えてしまい、年内のこれ以上の発生はどうしても止めなければなりません。
例年、労働災害が多発傾向にある年末年始に向けて、死亡災害の最多の原因である墜落・転落災害防止を最重点として取り組むことが求められています。
また、メンタルヘルスを含めた労働者の健康確保対策も、併せて取り組むことが必要とされています。
建災防千葉県支部は、本年も「無事故の歳末、明るい正月」を合言葉に、建設現場における無事故・無災害を支部会員一丸となって目指します。

















